岩井の本棚 「マンガにでてくる食べ物」 第8回 |
「ジオン公国の缶コーヒー」
ガンダムといえば、おそらくアニメで唯一大百科事典が作られた(講談社刊「GUNDAM OFFICIALS」)程の情報量を抱えている一大サーガとも言うべき物語です。以前本店2で「でもその時期にはまだゲルググが実戦投入されていないから・・・」と、 まるで史実のように語る二人組のお客様を見かけたのですが、そこまでの末端情報がごく自然にマニアの間で語られる、のはすごいです。
自衛隊で正式採用されているジェット戦闘機や戦車の名前を言えない人でも、ゲルググやザクの形式番号がいえる、というのが今の日本の状況です。
そんなガンダムのマンガのみを集めたのが「月刊ガンダムエース」。
安彦良和の「ガンダム・ザ・オリジン」読みたさに毎号買っている方も多いのではないでしょうか。
そのガンダムエースで連載されていた「トニーたけざきのガンダム漫画」が今回のテキストです。
全ページファーストガンダムの名シーンをパロディにしたり、内輪ウケのギャグ満載で、薄い人から濃い人までファーストガンダムを全編通してみた人ならば速攻笑えます。
で、ザビ家の末弟ガルマとシャアの偽りの友情をパロディにし、自販機の使い方がわからないガルマ坊ちゃんが、シャアに教え方をきく、そのシーンに出てくるのが「ジオン公国の缶コーヒー」なのです。
この缶コーヒー、ジオン公国の例のマーク入りなのです!と言うことはジオン公国が経営している公営企業なのでしょうか?
自販機には「ZEON Drink」とあります。ジオン大好きの公国主義者たちならば、飲みながら「ジーク・ジオン」をつい連発し、連邦の惰弱を叫びたくなるに違いないです。
しかもこのギャグの展開が、
- ガルマがシャアに教えを乞うが失敗する
- ドズルが失敗したガルマをかばう
- キシリアがマ・クベにガルマ専用自販機を作るように命令
- ギレンが自販機の害を大演説
ガルマがやり方を教えてもらいつつも、冷た〜いのと間違って「あったか〜い」ボタンを押してしまって「笑うなよ!兵が見てるだろ」と叫んだり、 マ・クベがスチール缶をやめて陶器で缶を作ろうとし「このような『よい物』で・・・」とのたまったりと、随所に名言パロも。
そもそも表紙からして、シャアが表紙で小指を立ててジオン缶コーヒーを飲むジャケット。
で、シャアが表紙なんだから当然色は赤だろといわんばかりに真っ赤なカバー。
遊びたい放題です。最高ですね。
ただ、ジオン公国が作った缶コーヒー・・・テンションは高くなりますが、ちっともおいしそうな気がしません。
以前スタッフの竹下が自衛隊にバイトに行ったときに売っていたという「自衛隊缶コーヒー」につぐマズそうなイメージのシロモノです。
それにしてもガルマ坊ちゃん、なんでたかが缶コーヒーひとつ、買うことができないんでしょうかねえ・・・そりゃ当然「坊やだからさ!」
※この記事は2004年7月8日に掲載したものです。
(担当 岩井)