岩井の本棚 「マンガけもの道」 第13回 |
ゴルゴとロッド
(図1)
サイケデリックな夢精シーン
ご存知のようにこち亀の次に巻数長いマンガですが、連載開始からの年数では実に35年、とゴルゴが上です。
ですが「家にゴルゴあるよ」という方は存外に少ないものです。
特にコミックIKKIから出る作家性の濃ゆい作品集をしたり顔で語るような、 最近のマンガ読み、と自称する人はゴルゴみたいな娯楽ものをあまり評価しないようですが、それはすごく間違っています。
ゴルゴはストーリーも話のまとめ方も時宜的な主題の盛り込み方も、まさに劇画の手本といってよいですし、 キャラクターの立ち、は全マンガ全キャラでも5指に入るほどでしょう。
だいいち抜群に面白いです。
僕もおととい家の整理したら80冊くらいでてきて、読んでないやつを買い足していくうちにこんな量になってたんだ、と驚いたほどです。
(図2)
だしちゃった?オレ?
(図3)
この顔かわいい
性豪、といっても、うわさによるとゴルゴがきちんとエクスタシーに達し、射精に至ってる、 と確認できるパターンがなんと夢精時の1回しかないとか(11巻・図1)。
こん時も毒に犯されていて悶絶している間に黒人女に口で抜かれる、というある意味ゴルゴ的に本望じゃないイキ方です。
この顔にはありありと不本意さが浮かんでます(図2、図3)。
基本的スタイルは、女をさんざうれしがらせといて、自分は達しない、イッてナイ、 というストイックな手法のようで、なんだか身体に悪そうですが、たしかにゴルゴが悶えて気をやったり、 射精時に「あ、あ、あああ」などと言葉が震える、というのは考えられないしイメージ壊れるから見たくナイですね。
(図5)
こんな凶悪なインポ男はいません
(図7)
自己主張の激しいヒト
(図4)
んなこといわれても
それにしても南米女は感極まると「お、男だよっ あんたは男だよ〜〜!!」などとのたまうもんなんでしょうか。 きいたことありませんよ。 文化の違いもここまで来ると修正は難しそうですね。
(図6)
わがままね
(図8)
煮えてるよ〜〜
(図9)
ていうか角刈りの黒人いねえよ
(図10)
真面目な顔してチンポ談義
(図13)
何度見ても名シーンです
あと、ゴルゴは陰茎を露出することに関してはまるで羞恥がありません。 むしろ時には見せつけよう、ひけらかそうとさえしているシーンが数多くあります。
ゴルゴって露出フェチ?と長年の謎でした。
以下検証シーンです。
まず22巻。
黒人に紛れ込んで白人の差別主義者に鉄槌を下ろす「黒い肌の狙撃者」では、 こいつほんとに黒人?とゴルゴを全裸にひん剥こうとする白人警官に対しては一切抵抗せずに、この脱ぎっぷり! 「コックの先まで黒だぜ?まるっきり黒人だ!」といちもつの黒さを評価されてます(図9、図10)。 もっともこの黒さは日焼とクスリの効果なんですが。
(図11)
自信まんまんですね
(図12)
レズじゃなくてレス
レスの女は潜在的に男根を恐れているから…なんて話はともかく「勝利の決め手はちんちんポロリだった」と解釈すると、 なんだか小学生のプール着替え場所争いみたいでほほえましいというものです。
あと男根=ロッド、つまり竿、というのもしゃれてんだかオヤジ臭いんだか判断に困ります。
たぶん実生活では使わない言い回しだよこれ。
さらに最高なのが女とやってる最中に警察に踏み込まれ「ハジキをすてろ!」と命令されただけなのに、 何故かすっぱだかで仁王立ちになり、あろうことかギンギン勃起したまま、という劇画史上に残る珍シーン(42巻・図13)。
「この野郎、こんな時におっ立てたままだぜ。おどろいたやつだ」「はやく服を着ろっ!胸くその悪い!」ってそりゃ胸クソわるいよ!だって勃ったままだし!
たぶんそれだけ豪胆、物に動じない、ということを表現しようという意図だったんでしょうが、 僕にはおっ立てたままのポージングが、なんか自慢げというか、 見せ付けてるようにしか見えません。
これでは豪胆を通り越して、ただの変態です。 ゴルゴがやたらピッタリした白のブリーフ派、というのも変態ぽいです。
余談ですが、ゴルゴは連載開始時から35年経過した今も現役。
それ相応に年を経ているのは感じさせるのですが、初登場時が25歳だと仮定してももう60歳です。
そうなってくると、仕事の精度はともかく、性的にはやっぱ枯れてくるわけで、最近は昔に比べるとやっぱりHシーン少なくなってます。
往年の頃のギン勃ち具合はもう見れないのかと思うと寂しくなりますね。
ゴルゴ13は本店に常備してあります。
どこから読んでも退屈しない名編ぞろいですので、まだ読んでいない方は是非どうぞ。
※この記事は2005年1月21日に掲載したものです。
(担当岩井)