岩井の本棚 「本店レポート」 第4回

大阪豆ゴハン

こちらに掲載の商品は売り切れました。ありがとうございます。
03年「誰も寝てはならぬ」がいきなりモーニングで連載スタートしたときには驚きました。
99年の「大阪豆ゴハン」連載終了以来、何の音沙汰もないままマンガ界から消えてったサラ・イイネスが、以前と全然変わらないままの作風で復活したのですから。

作風を変えたがためにより魅力的になる人ももちろん多いですが、サラ・イイネスさんの場合は変わってはいけない。
むしろあのままの作風が継続していたことに大きな喜びを感じました。
大阪を舞台とした、一風変わった人たちのごくごく日常の生活へのツッコミ・・・あの関西弁の応酬もツッコミのモノローグもぽわ んとしつつ味のあるタッチも、そしてさまざまな仕事・職業に対する飽くなき興 味も、何もかもそのまま。

これは進歩がなかった、というのではありません。
というよりもこの作風でこれ以上の進化はありえないほどの完成度を維持したまま、 3年の空白をもろともせず復活したこと。これはすごいことです。

モーニングの中では「バーバーバーバー」とか「OL進化論」などといっしょになにげなく読まれている方が多いとおもうのですが、 きちんと全話全著作読んでみたい、と思わせるだけの力があるかどうか、翻れば作家性、で差が出てくるとおもいます。

僕も学生時代はサラ・イイネス作品に必ずでてくる気の強い女性たちに魅了されてきたのですが、そんな僕も当時きちんと単行本を買い揃えていませんでした。
今となっては悔やむ限りです。

何しろこの本、当時はフツーに連載していたから、そのありがたみ、 その偉大さに気がついた人が少なく、全巻買い揃えたかたがかなり少なかったのです。
文庫版は抜粋編で全話読めません。「全話キチンと読みたい!」欲が高まった挙句、、 最終巻付近の特に出現しない10巻以降が、オクで1冊2000円で取引されたりする状況を生んでしまいました。

もちろんまんだらけでもかなりはやくから欠巻探しはしていたものの、揃ったのはここ2年で初めて。ついに出品です。。
「大阪豆ゴハン」全12巻。6300円。1冊平均にすると定価×巻数と変わらないので、オクで欠巻探しするよりもはるかにお買い得ですよ?

土曜日(2/19)本店2ショーケースに出します。

※この記事は2005年2月17日に掲載したものです。

(担当岩井)

お問い合わせ (営業時間:12:00〜20:00)

まんだらけ中野店(詳しい店舗地図はこちら)
〒164-0001 東京都中野区中野5-52-15
TEL:03-3228-0007 / e-mail:nakano@mandarake.co.jp