2009/7/16 21:00掲載
まんだらけ グランドカオス

記憶/大予言 7/24(金) 来るべき言葉のために

つきまとう影がある
そいつぁこのオレなのだ
影追う者の昏迷よ
桃いろに明けてゆく都会にもぐる
地下鉄のジョイントが泣いてるな
今晩よほどせつないねー ぶさまだ
股は太いし腹細い
ああヌメリ込む舟こぎ時代
マスクしてバカスカすぎる車のライト
車のライトが吐く息で ああ
涙でにじんで虹かかる
脱自だよオバさんタバコくれ
自然のささやきに唱和して いいか
喪くした湾を真似るのがおれの舊套墨守だ
ちったぁ辛抱したがいい
水平線を所有するまで
波しぶく突堤にたどりつくまで
口をよごさぬ 空と海とが小さな
おまえに裸の影をもたらしますように

岡田隆彦 「影追う者の昏迷よ 中平卓馬に贈る十九行」


知っているものだけを、イメージどおりにしか見ようとしないのが私たちの常ですが、 言葉やイメージに囚われることから抜け出して見てみると気味が悪いくらい得たいの知れない超越的な世界がドーンと目の前に立ち現れてきて、疎外感にシュンとなることがあります。

60年代後半にカメラを通じて見ること=生きることの洗い直しを試みた若き日の中平卓馬による闇か薄明の中のきわめてふつうではない雰囲気のモノクロ写真を収めたこの写真集には、 世界に拒絶された疎外感でおセンチになったときの気分が美しく刻印されているように思えて私は大好きです。
植物図鑑以降の中平卓馬の写真のよさは正直わかりませんが、この本には未知の(=未来の)領域へと踏み込んでいるエッジな感じが強烈にあります。



「世界は<自己を表現>する人々によっては決して変わらないだろう。
なぜなら、表現とは、その本来の<翻訳>(沈黙を言葉に、伝達できぬものを伝達できるものに)という性質からして回顧的で自己満足的で不毛な行為だからだ。世界を変えるのは、新しい意義を見出す人々、この発見によって、人間とその環境、ひいては人間と人間自体の関係を作り直す人々だろう」アラン・ジュフロア

世界が在り、また私も在るのだということ。
来るべき言葉が手に届きそうなところまで連れてってくれそうな一冊です。



中平卓馬写真集「来るべき言葉のために」
風土社 1970年初/函 装丁:木村恒久
\357000(カバー部分的にスレあり)


※掲載品は7月24日販売予定です。
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(担当 二宮)

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