【まんだらけトピックス】本・まんが・コミック・TOY・同人誌の専門店

改めて考えてみたところ同人誌でアンソロが作れるというのは、中心人物たちがある程度の活動、実力、友人、センスを持つ人であるのが必要条件な気がします。そう考えると別に薄い本出したからってオタクじゃねーぞ。そうか、この創作リア充め！コミティアの角に頭ぶつけろ！！
という訳で前回の彼岸泥棒に続く2冊目のリトルプレスがこちら。

煩悩　bon-nou／煩悩制作委員会／2014年5月5日(COMITIA107)発行

A5サイズ・116ページ　※R-18

お題「煩悩」で108人に1人1ページ描いて(書いて)もらったよアンソロジー。一応R-18ですがそんなにエロくはない(ニッチな趣味ならけっこう収録済)です。参加している人達の中で商業にもいる作家はおそらく、TAGRO・琴葉とこ・中野でいちの3名。TAGROはおなじみ、丸っこくてポップでキュートな女子がえげつないアレでアレする『変ゼミ』の人。琴葉とこは切実と萌えと自浄作用が入り混じる『メンヘラちゃん』でデビューした新人。中野でいちはついこの間徳間書店から『十月桜』を出したばっかりで、コミティアonlyの頃からなんか既に手馴れ感半端ない雰囲気醸しまくりの人。
とまぁハード面の説明はこれでいいとして、この本のいいところはとにかく108人分何かしらを集めたって点にあります。エロ・グロ・シュール・アート・萌え・日常系ぜーんぶ〝煩悩〟というマジカルワードで包括☆近所のカレー屋の話から半裸女子までまとめて無線綴じされた、まさしくなんじゃこりゃ本。しかも参加者各々がなんとなくテーマに沿おうとしてなくもないとこが、同人誌らしいというかほほえましいというか。１ページ目からがっつり読むぞーというより、パラパラめくってちょっと気に入ったページを目次欄で追い、作者のTwitterやHPへつなげてみる…そんな楽しみ方がよさそうです。

で私個人がイイなと思ったページがこちら。

(左)こう…理由は…説明できません…妙に激烈にツボっちゃったとしか……。作者名の「見る目なし」がどっかでものっすごく聞き覚えあるなぁと思ったら、WJのハガキ投稿コーナー「じゃんぷる」の過去の優勝者に同じPNの人がいました。しかしもはや何の根拠もないので真相は闇の中。
(右)中野でいち。単行本までこぎつけた作家だけあって、やっぱりクオリティも高く良い1ページ。タイトルに煩悩が滲んでてグッきます。

こんな風に、読む人それぞれにどこか一箇所引っかかってくれそうな本。総じて〝サブカルっぽい〟なんて言葉で片付けちゃもったいないぜ？実際そうかもしんないけども。バレンタインに糖分を補給できたリア充も、涙をのんで塩分を補給した紳士たちも、108煩悩どーぞ召し上がれ。

こちらの商品は2月19日(木)より、中野本店Ⅱショーケースにてお出しします。事前のお取り置き等はできませんのでご了承下さい。また前日の2月18日(水)はブロードウェー休館日ですので、そちらもお気をつけください。

(担当白石)