【まんだらけトピックス】本・まんが・コミック・TOY・同人誌の専門店

みなさまこんにちは。2015年2月18日は中野ブロードウェー休館日となり、いつもの賑わいも少しのお休みとなります。しかしそんな静けさの陰でショーケースにご用意しましたるはこちら、畑中純作「女男子島奮戦記
宝島」！

舞台はいつもの北九州。そして島。海と男たち女たち。このキーワードだけでも変わらぬ畑中節が窺えます。そう、ひとびとの織り成すいつもの人情そして艶笑潭なのです。そのうえで、この「宝島」に見られる特長などをお伝えできたらと思います。
まず１つ目は、コンセプトの純化・マスコット化です。
人生に迷い、都会より女男子島にやって来るのは元海洋生物学者「風祭翔」。迎えたるはヒロイン「海野幸」。女男子島は風車たちならぶ風の強い土地であり、主人公がペンションを構える場所は、まるで台風の棲みかであるかのように荒れ狂っている。都会で道を見失い島にたどり着いた男は、風の力を取り戻し海である女とまぐわう。
「まんだら屋の良太」等と基本的には同じ路線ながら、モチーフは単純化され、シンプルに物を語っています。

海とのまぐわい

つぎに、時代からの隔絶が挙げられます。この作品が発表された92年頃、世は浮かれ騒ぎとその崩壊、どことなく暗い世相のままテクノロジーを発達させてゆきます。
畑中純の前作「まんだら屋～」では、湯煙に包まれた架空の温泉地が描かれました。主人公達は温泉街でのんびり暮らし、たまに街に出て世間と交わる形でした(勿論、そもそも北九州という土地柄、時代の波からまず一つ分離れているのです)。そしてこの女男子島奮戦記では文明との距離は更に開き、海を隔てます。箱庭感あふれる架空の楽園を守るための措置なのでしょうか。作者と時代との相克について思いは巡ります。

と、このように氏のファンならばマストと言えるこの作品、2/19(木)、ブロードウェー3F本店Ⅱショーケースにて販売します。尚、事前のお取り置きは致しかねます。

(担当山田)