そんなイシデ電作品で私が一番面白いと感じている作品がこちら『私という猫』、続編の『私という猫〜呼び声〜』の二冊です。
この漫画、ほとんど猫しか出てきません。「野生」でも「飼われ」でもない、「野良」という状態にある街住まいの猫達の間で繰り広げられる日常が、濃厚に描かれています。
この漫画、まず視点が面白いのです。地上2〜30cmの猫の目線をベースとして、猫に見える景色や手触り、体験がナチュラルに表現されています。ただし丁寧なルポ漫画という訳でもなく、なにか著者の内なるものが噴出し、激しく猫の形をとって絡み合っている故に極めて個人的な、閉じた部分も感じさせます。ある者は生き、ある者は前ぶれなく死に、ある者は気がつかないうちに奪い取られた何か大切なもののことを考え、追い求めます。
この漫画、とても絵が上手いです。明らかに人よりも猫を描いた方が上手いという希有さ。リアルさとデフォルメのバランスが、猫においては完成しているとさえ思います。筆ペンの太いタッチはただの輪郭線を超えて、強い意志や感情、佇まいをこちらに投げかけてきます。
もともとこれは著者のウェブサイトにて連載されていた物で、一作目と二作目の間に五年のブランクが空いているためか現在一作目が手に入りづらくなっています。(ちなみに今、イシデ電のサイトでは続編収録分のみ読めるようになっています)
この作品片方だけでも読めるのですが、この機会に通しで読んで、強い精神的侵襲により数日棒に振って頂きたいです。
こちらは1/2(水)より中野ブロードウェイ3F
本店II前ショーケースにて販売致します。事前のお取り置き・電話での通信販売は致しかねますので、ご了承ください。
(担当 山田)
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