まんだらけ中野店 4F 大予言なぜ武道・武術か？

『実戦中国拳法太気拳』澤井健一著平成5年日貿出版社並製版第4刷 \1890 （現行再版とは表紙の写真違ひ）

『拳聖澤井健一先生』佐藤嘉道著平成3年スポーツライフ社発行 \1575（著者は澤井健一の婿にして現在流派宗家）

代替医療同様に、どうして精神世界専門店で武道や武術を扱ふのか？といふ疑問も内外にあるやうなので改めてご説明申し上げませう。
武道・武術も代替医療も一緒なんですが、つまりは「人間を物質とみるか生命としてみるか」が分水嶺なのであります。
モチロン人間も物質によって構成されてゐることには違ひありませんが、バラバラの物質の寄せ集めが果たして生命そのものなのか、といふところが精神世界と唯物論との違ひでありませう。
現代医療や一般のスポーツや格闘技は唯物的な人間観（つまり精神は物質の最高の所産であるといふやうな）に基づいてをります。
それはそれで重要な分析ではありますが、精神世界とは無関係であり従って当店のヂャンル外といふことになります。
それゆゑ、まんだらけ大予言では一般的な西洋医学本、スポーツ本、ボクシングや総合格闘技などの格闘技本については取り扱ひ範囲外です。

具体的な違ひは簡単です。
唯物的にみれば格闘技に於いては小さい人は大きい人に勝てない。
筋力の弱い人は強い人に勝てない。
愚鈍な人は俊敏な人に勝てない。
年寄りは若者に勝てない、といふことになります。
実際一般の格闘技に於いてはそれは当然のこととされてをります。

しかし合気道や柔術などの武道や中国拳法などの武術についていへば決してそんなことはない。
その逆の事例も大いにありうる、といふことになります。
そこにはやはり人間をバラバラの物質の寄せ集めとして把握してゐるだけでは説明できない原理（たとへば「気」など）が介在してゐるのであり、それはやはり精神世界の範疇に入ってくるのです。

今回ご案内の「太気拳」といふ中国拳法の一派もまさにそれで、流祖たる澤井健一は70代になっても20代の格闘家を寄せ付けなかったと云ひます（澤井氏は『空手バカ一代』の陳老人のモデルとも）。

……といふことでまんだらけ大予言では武道武術書を扱ってるのであります、ご理解の程宜しくお願ひ申上候（一般の格闘技書は扱ってません）。

(担当山口ケン)