まんだらけ中野店 4F 記憶怪奇幻想小説、そして表現主義

怪奇幻想小説と名づけられ、分類されている作品は奥が深い。
これは私的感想なのですが、怪奇幻想作品と言われているものは、ソレを如実に示すことは書き記していないのにも関わらず、頭の中でソレは形を伴い(不定形ではあるが)畏れとなって、自分の心をソレに虜にさせる、と思います。

それが、原始的恐怖からくるのか、過去の経験が産むのかはわからないのですが、怪奇幻想と名づけられている作品を読むと、決まってそういう事が起きます。

エーヴェルス短編集
蜘蛛・ミイラの花嫁(他
創土社発行
￥3675(税込)

エーヴェルスの作品は映画化もされているので、映画好きな方もご存知かと。怪奇幻想というと、怪奇的なイメージ(おどろおどろしい)で捉える方もいますが、この作品はドイツらしい怪奇さがある、幻想文学です。
そうです、この方エーヴェルスはドイツ作家。

映画は表現主義作品を語る上で、名前が挙がることも多いですが、映画は見た方でも、原作者のエーヴェルスの作品は読んだ方少ないのでは？

エーヴェルスは友人に薦められて読んだのですが、その時「死んだユダヤ人」の歌が頭にこびりついて離れなかったのを今でも覚えています。

(担当三次)