2008/9/7 21:00掲載
まんだらけ 中野店 4F

鬼になるために〜おすすめミステリ小説〜


さぁ、SFを読もうでSF商品の紹介していたので、こちらでミステリの紹介にいたします。

九人と死で十人だ
世界探偵小説全集
カーター・ディクスン:著
国書刊行会/1999年発行
¥1575

ミステリという森に足を踏み込む前に、その巨大なカーという樹の姿が見えてきます。
森に入らずにいてもその姿は確認できるのに、森をいくら探索してもその全貌は容易にわからない。
それがカーだと私は思っています。

カー問答という偉大な文献をはじめカーに関して論じられたものは多いので、カーについて私がこれ以上語る必要はないと思いますが、知らない方のためにカーの片鱗だけでもさらっとご紹介しておきますね。

カーはエラリィ・クイーンやアガサ・クリスティーなどと共にミステリ黄金時代を支えた作家です。
密室派とよばれる作家の中でも密室トリックの多さでは郡を抜いており、その著作のほとんどが、密室乃至不可能的状況にあることでも有名です。
ちなみにカーター・ディクスンとは、「ジョン・ディクスン・カー」の別ペンネームです。

あらすじ
時は第二次大戦中。
ドイツ潜水艦の襲撃に脅えながらイギリスへ向かう商船エドワーディック号。
その一室で、喉を無残にも切られた女の死体が発見される。
現場には血染めの指紋が残されていて、犯人はすぐに判明するものと思われた。
だが、調査の結果、驚くべき事実が発覚する。

「その指紋は船内の誰のものとも一致しなかったのだ!!!」

乗客は全員で九人。
果たして謎の指紋を持つ十人目は存在するのか?


外からはドイツ潜水艦の存在に怯え、中では見えぬ殺人者の影に怯えていく乗客たち。
そして注目すべき点はこの作品でカーは「見えぬ十人目」のトリックだけに頼らないものに仕上げていることです。
カーの中期時期に書かれた作品。ちなみに怪奇色は本作弱めです。

海外小説は読みづらいと思っている方へ。
この作品は比較的カーの中では読みやすい方だ思います。

でも、タイトル、これでいいんだろうか。意味が通らないような気も。。。


シンリーは消えた
ヴィンテージ・ミステリ・シリーズ
アントニイ・バークリー:著
原書房/2005年発行
¥1575

アントニイ・バークリー。
彼はイギリスの本格黄金時代の作家の一人です。
日本での知名度はあまりないせいなのか、未訳も少なくなく、この作品も日本初訳です。

あらすじ
レディ・スーザンと近親者たちを中心に集まった屋敷で、降霊会が開かれた。
それはレディ・スーザンの甥であるフレディーが言った一言が原因だった。

「人を消すことのできるとびっきりの呪文があるんだ」

そして降霊会が始まり、消えた電気が点くと、椅子に座らされていたレディ・スーザンの知り合いの娘、シンリーの姿が忽然と消えていた。
果たして彼女は本当に消えてしまったのか???
この作品を読んでまず感じるのが、なぜこれが未訳だったのか!ということ。
バークリーは創元とハヤカワから出ているものを読んだだけですが、今まで読んだバークリーの中でもあきさせないストーリー運び、登場人物の持つ影などに特化している作品だと感じます。

余談ですが、原さんのヴィンテージ・ミステリシリーズの新刊を毎度毎度新刊読破するたびに心待ちにしているのって私だけじゃねいですよね

(担当 三次)

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