まんだらけ札幌店ニューウェーブノススメ松永豊和

100の人物の顔を書き分けらるであろう絵のうまさを持つ、松永豊和先生の作品の紹介です。
太陽の眩しい晴天のようなハッピーエンドよりも曇り空の、切なさの残る物語が好きな人におすすめです。

「バクネヤング」

松永豊和を知るならこれ！という作品。
独特すぎる表現力に圧倒されました。
国会議事堂にミサイルをぶち込むような破壊力で心臓を刺激してきます。
数ページ読み進んでしまえばおそらく、ブレーキが壊れた車のように最後まで読んでしまうでしょう。
今読むならばやはり書き下ろしを256ページ加えた完全版ですね。

欲し度：☆☆☆☆

「エンゼルマーク」

「エンゼル」をキーとした短編集です。
人物や建物の細かさ、背景の違和感のない白さなど、大友克洋を連想させるような表現力で描かれるショートストーリー。
そのどれもが全く異なる方向に突き進んでいて、松永豊和の幅広さを知ることが出来ます。
しかし読み終わる頃には何かしらの共通する刹那さがあります。
僕はこの松永作品の持つ切なさがたまらなく好きです。

欲し度：☆☆☆

「龍宮殿」

まず、表情がとてもうまいです。
それは現実に忠実に、写真のように描くといううまさではなく、悲しさや怒り、喜びも切なさも読み手に完全に伝わる表現力を持っているということで。
感情表現を10段階で描けるくらいの力を感じます。
物語としてはなんとなく坊を好きになってなんとなく玉ちゃんを好きになって、なんとなく坊の玉ちゃんへの気持ちに
共感できればもう細かなことは気にならず感動するでしょう。
終わりはひどく静かで悲しい。

欲し度：☆☆☆☆☆

豊和作品をお求めの方は、ニューウェーブコーナーまでどうぞ。
買い取りもお待ちしております。かしこ(しこか)

(担当せき口)