2006/3/5掲載
まんだらけ 新宮店

あべしの第134回「ちょっと観てよ聴いてよ!〜AVコーナーより愛をこめて」


皆さん、ガンダムカードビルダーはプレイしていらっしゃいますでしょうか?
バリバリにプレイしている方なら、お気づきでしょうが,なんと「一年戦争」と銘打っておきながら、「ソロモンの悪夢」ことアナベル・ガトーも、ケリィも、シーマも、「不死身の四小隊」も出てきません。
これは由々しき事態だとおもいませんか!?
これは、きっとバージョンアップして、後々出てくるのでしょうかね?
実際,「0080」も武装カードやカスタムカードには登場しているので、きっと後々クリスやサイクロプス隊も登場するのは確実なのですが、じゃあ、「0083」はどうなるのか・・・コウとかキースは諦めるとして、せめて一年戦争を戦った「83」キャラを出してあげてください。切実に願う私です。
さて,そんな「0083」馬鹿なあべしが今回ご紹介するのはもちろん、「機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY」DVDメモリアルBOXです。

宇宙世紀0079年12月31日.
ジオン公国は、ア・バオア・クーでの最終決戦に破れ、地球連邦に対して降伏した。
しかし,一部のジオン将校らは、降伏せず、各地で反抗の機会を窺っていた。
エギーユ・デラーズ中将率いるデラーズ艦隊は,暗礁宙域にて潜伏し、3年後の宇宙世紀0083年10月、ついに「星の屑作戦」を決行すべく、アナベル・ガトー少佐を地球へと送り込んだ。
一方,地球のオーストラリアにあるトリントン基地では、新型ガンダムの実験が予定されていた。
士官学校を卒業したての新米士官コウ・ウラキ少尉は,重度のMSオタクで、新型ガンダムを目の前に浮かれていた。
そんな時,コウの目の前に見慣れない将校が。きっと、ガンダムを運んできた戦艦アルビオンのクルーだと思い込んだ彼は、そのまま気にも留めなかったが、実はこの将校、デラーズ艦隊が「星の屑作戦」の為に送り込んだアナベル・ガトー少佐だったのだ!!
ガトーは、目的の核弾頭装備のガンダム試作2号機をあっさりと強奪してしまう。
同時に基地に対してガトーの脱出の支援をすべく、ジオン残党軍が攻め込んでくる。
たった3機のMSに為す術も無く撃墜される連邦軍のMSたち。
丁度、ガトーのガンダム強奪を目の当たりにしたコウは、目の前にあったガンダム試作1号機に無断で乗り込み、ガトーを食い止めようとする。
しかし、実力の差は歴然で、コウは為す術も無く、ガトーを取り逃してしまう。
あまりの恐怖で呆然としていたコウは、迎撃体勢を整え出撃したサウス・バニング大尉率いる部隊と合流し、2号機の追撃に向かう。
オーストラリア大陸を脱出せんとするガトーは、潜水艦ユーコンとの合流地点へと到着していた。
しかし、そこに追いつくコウ。二人は再び激突する。
ガンダムのシステムエンジニアであるニナ・パープルトンの助言を受け、辛くも生き延びたコウだったが、同時にガトーも取り逃がしてしまった。
ガトーは、朝霧の中へと姿を消した・・・
友人であるラバン・カークス少尉、先輩であるディック・アレン中尉が殺され、ガトーをみすみす逃がしてしまったコウは、自分の不甲斐無さを悔やむ。
コウは、2号機追撃任務を志願し、アルビオンへと転属する。
果たして、彼はガトーを倒し、2号機を奪還することができるのか!?
そして、「星の屑作戦」とは一体どんな作戦なのか!?

ガンダムシリーズでも、1、2を争うクオリティーの高さは、伊達じゃありません。
わずか13話の中に凝縮された無駄の無い濃厚なストーリー。
二重三重にもフェイクを重ねた「星の屑作戦」には、鳥肌が立つほどの芸術性を感じました。
普通、アニメの中の一作戦に「芸術性」を感じることがありましょうか!!
序盤は、初代ガンダムの続編的なストーリーでしたが、実は最後にはティターンズが結成される話が織り込まれており、「初代の続編」に見えたこの作品は、いつの間にか「Zのプレストーリー」に姿を変えていくのです。

また、19歳の新米士官がわずか1ヶ月の間に一人前の軍人に変わっていく様も、ガンダムシリーズでも最大の成長振りです。
実は、第7話までのコウの顔の設定画と、第8話以降のコウの顔の設定画は、比べると一目瞭然に作画が変わっているのです。
もちろん、意図的に。それはもう、ガンダム試作1号機がFbへと換装したかの如き変化です。
ガトーやバニング、ケリィなどといった漢達がコウを成長させたのですね。
敵でありながら、主人公を成長させる「大人」もガンダムシリーズの醍醐味のひとつと言っていいでしょうね。
「Gガンダム」に次いでスポ根的な熱さを感じさせるガンダムです。
ただ、ラブストーリーも多く織り込まれていながら、そっちはあまり評価されないのは、なんといっても終盤のニナの悪行が原因と言って過言ではないでしょうね(笑)。
圧倒的に不人気なニナに対し、卑しくも「生」への執念を魅せてくれたシーマは、賛否両論ながらもなかなかの人気を誇りました。
個人的には、献身的なラトーラが好みなのですが、なにせ出番が無い!もうちょっと、ケリィとラトーラの馴初めを観てみたかったですね。

ストーリーや人物ばかりが「0083」の魅力ではありません。やっぱり、ガンダムといえば、モビルスーツでしょう。
「マクロス」や現在放映中の「エウレカセブン」でお馴染みの河森正治氏のガンダム試作1号機と2号機。
1号機は王道的なスタンダードさが魅力でしたが、中盤で宇宙仕様のフルバーニアン(Fb)に換装しました。
個人的には、換装前が凄く好きだったので、ちょっと残念なのですが。余談ですが、私、ガンダム占いはフルバーニアンでした。
本当に余談ですが。
一見ガンダムかどうか戸惑うような重厚なデザインの2号機。
核弾頭を装備し、その威力には度肝を抜かれました。核兵器の恐ろしさを実感できます。
ここで注目したいのは、この2機のタイプです。
1号機は、白兵戦を重視したタイプで、こと格闘戦においては、当時では最強のMSだったのです。
対する2号機は、核弾頭を撃つだけの為のMSで、対MS戦においては、大した能力はなかったのです。
だ・か・ら、まだひ弱な序盤のコウがガトーと互角に戦えたのですね。パイロットの能力差を、MSがきっちり埋めてくれたのです。
単なる「ご都合主義」ではなく、メカの設定を駆使して説得力を持たせたことも、この作品の魅力です。
「銀河お嬢様伝説ユナ」や「MS少女」など美少女系のデザインが印象深い明貴美加氏が手がけた、ノイエジールとガーベラテトラ。
両方とも明貴デザインの特徴である曲線が目立ちますね。ガーベラの最期はなんだか泣けてきます。串刺しって・・・
「ガンダム・フィックスフィギュレーション」などによって、最近では裏設定とは言えなくなってきましたが、このガーベラテトラはガンダム試作4号機として開発中だったものを、シーマが裏取引によってアナハイムから受領したものですね。
オサリバンのような汚い重役がいなければ、きっとガンダム4号機として曲線の多い白いガンダムになっていたことでしょう。
しかし、ガーベラテトラの方が好きな方にとっては、オサリバン万歳といったところでしょうか(笑)
そして、忘れてはならないのは、現在では不動の人気を誇るカトキハジメ氏!
カトキ氏がこの作品で最も多いデザインを手がけ、MSだけでなく、艦船やデラーズ艦隊の拠点である「茨の園」のデザインも手がけました。
MSでは、GM改やF2ザク、ドムトローペン、ゲルググMなどのリファインも多く、新作ではGMカスタムやGMキャノンU、ガンダム試作3号機です。
特に3号機には度肝を抜かれました。視聴者の感想を代弁したのが、モーラの「これがMSだっていうのかい!!」というセリフです。
後のメカデザインに多大なる影響を残し、ブースターが付いた巨大な武器庫にロボットまたは人間などが合体すると、決まって「デンドロビウム」と呼ばれるほどです。
ガンダムシリーズでは、「SEED」で「ミーティア」なるものが登場しました。
これがまた、ガンプラ化するとは思いもしませんでしたよね。まさかと。
マスターグレード化されないことを切に願います。パーフェクトグレードなんてもってのほかです。普通の家じゃ無理です(笑)。
そして、登場時間のせいか、コアユニットであるステイメンの存在が薄すぎるのも由々しき事態です。
後のMS開発史に多大なる影響を残したテールバインダーが特徴で、その姿はまるで宇宙を舞う白い妖精のようです。でも出番は数秒(泣)。
ドラッツェとどっちが登場時間が長いか比べてください。オープニングではそれなりに出張りましたが。

そして、主題歌!
これまたガンダムシリーズでも最高のカッコよさを誇るのが、この「0083」のオープニングです。特に後期。
前期は、故・松原みき氏が熱唱する「THE WINNER」。
「勝利者などいない」という歌詞は、実はこの物語の結末を歌っていたのです。
前期のオープニングの歌い出しから。
そして、一度観たら鳥肌が収まらない後期オープニング。
熱唱するのは、「ダンバイン」などでもお馴染みのMIO(現・MIQ)氏。彼女、もう新曲出さないのかなぁ?
イントロ部分で、アフリカ戦線、ア・バオア・クー宙域で戦うガトーのゲルググ、ガトーを諭すデラーズ、デラーズ艦隊、そして「星の屑」決行目前と思しきガトーとデラーズ・・・一年戦争から3年間の風景が次々と流れていく中で、0079、0080、0081、0082、0083とカウントされる演出は何度見ても鳥肌が立ちます。
タイトルに入るガトーとデラーズが見つめる先には、何があるのだろうか。
そして、アルビオンのMSパイロット勢揃いのカットには、バニングの姿が・・・
そして、サビ直前、ガンダムシリーズでは数多くあるビームサーベルを引き抜く動作。
ビームサーベルを引き抜くのはフルバーニアンで、引き抜かれたサーベルを握っていたのは、ステイメンだった!!
そして、サビの部分では、ステイメンとノイエジールの一騎打ち。本編での出番の少なさを事前に挽回するかのごとく奮闘するステイメン。実は、オープニングにおいて最も出番が少ないのは、フルバーニアンなのですね。後期オープニングになっても出番の多い旧1号機はでしゃばりだなと思いつつも、カッコイイ。
前期・後期に共に、あからさまなネタバレを含まないのが、好感が持てます。
後期にバニングが出てこないことを除けば。

非常に長々と本作品の魅力について語り尽くしましたが、実際に見てみるのが一番です。
特にこの作品、ストーリー展開が急かつ濃厚なため、2度3度じっくりと観て理解するのが最も望ましいです。
そのためには、やっぱりDVDが必要でしょう!!
私も、小学生の頃にレンタルビデオで観た時は、ただMS戦のカッコよさだけに惹かれており、前述した「星の屑作戦」の「芸術性」なんかもちろん、全体的にあまり良く理解していませんでした。
大雑把な粗筋をうろ覚えの状態で中学時代に観直した時に初めて、この作品の虜になりました。マジで凄ぇと。
中学、高校、大学・・・何度見直したか10回から先は覚えてませんね。何故かこの作品だけは飽きることがありません。
ガンダムファンなら、是非というか、絶対に観てください!
というか、観るべきです!!
いや、観ないとダメですよ!!!

価格:\18,900
状態:美品
特典:イラストギャラリー、
収録時間:364分(本編13話+映像特典)


(担当 阿部)

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