滑稽の構造/田河水砲
講談社
昭和56年８月10日 第１刷発行
状態：カバーまわりイタミ、背・小口ヤケ/ページ小折れ
5,775円
読み物ですが、水泡先生のとてもよいものが入ってきました。
水泡先生自身の作品を初め、サザエさんや谷岡ヤスジ先生、山根赤鬼先生などの誰もが知っているようなまんが作品をとりあげ、
このまんがはどこがおもしろいのか、どこが滑稽でありどうして笑いに繋がるのか、
というようなことを水泡先生がひたすらまじめに書いている本です。
まさにタイトル通り、滑稽の構造とは何かだけを追っています。と書くと堅い書籍に思えるかもしれませんが、
取り扱う作品がほのぼのまんがばかりな上、水泡先生自身のコメントも優しいのですいすい読めます。そして読むのをやめられなくなります。おもしろいです。
まんが、とくにこの時代のまんがというのは、読者は特に深く考えずにアハハと笑えればそれでよかったわけですが、
描く側はそうではなく、綿密に計算をし１コマなり４コマなりの作品に仕上げていたのだなあ…と本書を読むと改めて考えさせられます。
そしてこういう一見軽視しがちな（しかし大切な）点に目をつけくそ真面目に熱弁を振るう水泡先生は、多分本当にインテリなお方だったんでしょうね…普通のひとがくだらない、と笑うようなことをくそ真面目に、というのは稲垣足穂先生とか思い出しますね。そういう精神ってすてきです。
ちなみに…
ペンネームの田河水砲の由来というのが、
・水泡先生の本名は高見沢
・高見沢→Takamizawa→Takamiz-awa→たかみず・あわ→田河水泡
なんだお☆…と店長が教えてくれました。うちの店長は博識です！！！ニコ！！
と思ったら本書の１番最初のページにその件について詳しく書いてありましたニコ！！！
担当 いわき
札幌店 いわき
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