ゴルゴとロッド<16'画像修正版>

どうも、「岩井の本棚」って書いてあるのに本人ちっとも記事書いてねえじゃねえか! となじられぎみの岩井です。

長寿連載といえばこち亀ですが、200巻で終了しましたね。ではもうひとつの長寿作品、ゴルゴ13は・・・というと、ゴルゴ13は連載からリイド版の単行本になるまで5年かかるという特殊な刊行状況で(詳しくはWiki参照)、16年10月時点で182巻。それで年4冊ペースで単行本が出ているので、来週いきなり連載が終了したとしても、200巻を越えることは確実です。

そんなこんなでゴルゴ13の値段見直しを兼ねて最近ずっと読み直しているんですが、いやーやっぱり面白い! この面白さはただ事ではないですよ。
単純に物語として面白く、軍事・外交・また冷戦期の背景、諜報戦などの側面から見ても面白く、キャラが立っていて、そしてナナメから読んでも面白い作品なんてそんなにないですもん。
だいたい眼光が鋭くて、依頼はすべてパーフェクト、後ろにたたせない、握手もしない、笑わない、それでいてセックスの達人、おそらく1万人くらい殺してて、それでいて個人資産200億ドルを惜しげもなく寄付、なんてひと友達にいますか? 友達どころか銀河系にもひとりもいないことは断言できます。そんな特殊な人間の物語が面白くないわけがないじゃないですか!

しばらくはゴルゴのエピソードをいくつか紹介していこうと思うのですが、まずは一番最初に僕が書いたときのゴルゴの記事をもっかい再掲します。初出時には「画像が小さくて見づらいよなー」って気になってた画像の部分を見やすくしたものです(少しだけ文章も直しています)。
2005年に書かれたものなので数字とかは今と異なってたりします。

(担当・岩井)
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今回で13回、なのでゴルゴ13の話をします。
ご存知のようにこち亀の次に巻数長いマンガですが、連載開始からの年数では実に35年、とゴルゴが上です。ですが「家にゴルゴあるよ」という方は存外に少ないものです。

特にコミックIKKIやコミックビームから出る作家性の濃ゆい作品集をしたり顔で語るような、 最近のマンガ読み、と自称する人はゴルゴみたいな娯楽ものをあまり評価しないようですが、それはすごく間違っています。

ゴルゴはストーリーも話のまとめ方も時宜的な主題の盛り込み方も、まさに劇画の手本といってよいですし、 キャラクターの立ち、は全マンガ全キャラでも5指に入るほどでしょう。だいいち抜群に面白いです。
僕もおととい家の整理したら80冊くらいでてきて、読んでないやつを買い足していくうちにこんな量になってたんだ、と驚いたほどです。

ゴルゴといえば冷酷無比、そしてマシーンのように正確な射撃、そして用心深さが思い出されますが、僕的にはその性豪ぶりが気になってなりません。

性豪、といっても、うわさによるとゴルゴがきちんとエクスタシーに達し、確実に射精に至ってる、 と確認できるパターンはなんと夢精時の1回しかないとか。(23巻「潜入者の素顔」もゴルゴが射精しているのでは?というのが多数説です)

じゃあほかのセックスは何なのか。接して漏らさず、不発弾だということです。ストイックとかそういうのを超えて女性としては迷惑というか、プライドを傷つけられる存在でしょうなあ。
これが夢精の射精シーンですが、射精のイメージがなんとも70年代サイケデリコですね。

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それもゴルゴが毒に犯されていて悶絶してるときに、ブードゥーの女に口で抜かれる、
こん時も毒に犯されていて悶絶している間に黒人女に口で抜かれる、というある意味ゴルゴ的に本望じゃないイキ方です。
この顔にはありありと不本意さが浮かんでます。


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基本的スタイルは、女をさんざうれしがらせといて、自分は達しない、イッてナイ、 というストイックな手法のようで、なんだか身体に悪そうですが、たしかにゴルゴが悶えて気をやったり、 射精時に「あ、あ、あああ」などと言葉が震える、というのは考えられないしイメージ壊れるから見たくナイですね。

ゴルゴのセックスも、初期はカーセックスしつつも女が 「すてき...ああ!雨のサントロペ!恋のサントロペ!」などと ロマンチックなんだか脳がヤレてんのかわからんセリフを吐くくらいのムード派だったし(2巻)


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商売女にインポと間違われても無言で渋く決めるほどのシャイボーイだったのですが(11巻)


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やがて経験を積んでくると「経験の浅い女がさも経験豊富なようにふるまう...白けるものだ」などと自分の遅漏を女のせいにしてみたり(23巻)、


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ゴルゴの性豪ぶりを聞き及んだその道のプロと絶倫VS名器のガチンコ勝負をしたり(73巻)


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あげくのはてにコカイン中毒のあばずれを煮えたぎらせてみたりします(102巻)。


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それにしても南米女は感極まると「お、男だよっ あんたは男だよ~~っ!!」などとのたまうもんなんでしょうか。 きいたことありませんよ。 文化の違いもここまで来ると軌道修正で合わせるのも難しそうですね。

ちなみにこのときにジャンキー女に「やってみな!」とコカインを渡されたときのゴルゴの吸いっぷりの見事さから「こいつは信頼できるワルだわね」と認められるという、ほぼ唯一のゴルゴ吸引シーンも出てくるので、102巻は必見ですね。


あと、ゴルゴがここまで女を悦ばせるテクニシャンでありながら性豪、 絶倫、であるならばやはり巨根説があってもいいものの、不思議にそういったシーンはありませんでした。

だけれどもゴルゴは陰茎を露出することに関してはまるで羞恥がありません。 むしろ時には見せつけよう、ひけらかそうとさえしているシーンが数多くあります。
ゴルゴって露出フェチ?と長年の謎でした。

以下検証シーンです。

まず22巻。
黒人に紛れ込んで白人の差別主義者に鉄槌を下ろす「黒い肌の狙撃者」では、 こいつほんとに黒人?とゴルゴを全裸にひん剥こうとする白人警官に対しては一切抵抗せずに、この脱ぎっぷり! 「コックの先まで黒だぜ?まるっきり黒人だ!」といちもつの黒さを評価されてます。 もっともこの黒さは日焼とクスリの効果なんですが。


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そして13巻でも、レスビアンの殺し屋(レズビアンではなく、レスビアンです、ゴルゴでは!)に対して生殖器をみせつけ、「俺の男根をみろ」などという。


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レスの女は潜在的に男根を恐れているから...なんて話はともかく「勝利の決め手はちんちんポロリだった」と解釈すると、 なんだか小学生のプール着替え場所争いみたいでほほえましいというものです。

あと男根=ロッド、つまり竿、というのもしゃれてんだかオヤジ臭いんだか判断に困ります。
たぶん実生活では使わない言い回しだよこれ。


さらに最高なのが女とやってる最中に警察に踏み込まれ「ハジキをすてろ!」と命令されただけなのに、 何故かすっぱだかで仁王立ちになり、あろうことかギンギン勃起したまま、という劇画史上に残る珍シーン(42巻)。


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「この野郎、こんな時におっ立てたままだぜ。おどろいたやつだ」
「はやく服を着ろっ!胸くその悪い!」
ってそりゃ胸クソわるいよ!だって勃ったままだし!

たぶんそれだけ豪胆、物に動じない、ということを表現しようという意図だったんでしょうが、 僕にはおっ立てたままのポージングが、なんか自慢げというか、 見せ付けてるようにしか見えません。
これでは豪胆を通り越して、ただの変態です。 ゴルゴがやたらピッタリした白のブリーフ派、というのも変態ぽいです。

余談ですが、ゴルゴは連載開始時から35年経過した今も現役。
それ相応に年を経ているのは感じさせるのですが、初登場時が25歳だと仮定してももう60歳です。

そうなってくると、仕事の精度はともかく、性的にはやっぱ枯れてくるわけで、最近は昔に比べるとやっぱりHシーン少なくなってます。
往年の頃のギン勃ち具合はもう見れないのかと思うと寂しくなりますね。

ゴルゴ13は本店に常備してあります。
どこから読んでも退屈しない名編ぞろいですので、まだ読んでいない方は是非どうぞ。

そういえば「アメトーク!」でゴルゴ13芸人取り上げられたとき、「雨のサントロペ!」のコマを紹介してた人がいたのはうれしかったですな。

今回からすこしずつゴルゴ13の名編を紹介していこうと思いますのでお楽しみに。だいたい週1ペースで更新予定です。

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