資料性博覧会08 イベントアフターレポート

資料系同人誌+創作怪獣ソフビ即売会「資料性博覧会08」
2015年5月3日 (日) 11:00〜16:00
東京都中野区中野4丁目10番2号 中野セントラルパーク サウスB1
コングレスクエア コンベンションホールA+B+C

ご参加いただいた皆様、並びにイベント開催に際して協力いただいた方々本当にありがとうございました。
2回目となるコングレスクエアで会場を拡張しての開催となりましたが、大きなトラブルもなく無事に開催できましたことを心より御礼申し上げます。

サークルおよびディーラーの申込み状況は同人誌は65サークル(直参56、委託9[16sp])で前回から+17、創作ソフビのディーラー数は14で前回から+4と共に増加。今回も応募いただいた全サークルを当選とさせていただきました。
2013年開催時の33サークルから、ほぼ倍の規模になっています。

今回、入場チケットを兼ねたパンフレットの前売りができなかったので、パンフレット販売は通常よりも早く9:30から開始。この時点で50名ほどが待機されていました。その後、10:30の列形成までに販売したパンフレットの数量から判断して250名ほど。
列形成が完了したのちも50名ほどが最後尾につく形となりましたので、トータル300名ほどが開場待ちで待機していたということになります。

列形成はもう少し手間取るかと思っていたのですが、皆様のご協力で予想以上にスムーズだったため待機時間が長くなってしまいました。
次回は10:40〜41くらいでも何とかなりそうです。

11:00に開場。同時に併催イベント「エルド吉水『龍子』展」もスタートしました。

イベント内での展示は初の試みでしたので、観覧にどこまで制約を設けるかが悩みどころでしたが、作者のエルド吉水氏も参加者のマナーの良さに感心していらっしゃいました。また、たくさんの意見が聞くことができたと喜んでおられました。
『龍子』という作品に関しては、特設ページがありますのでこちらを参照ください

会場限定販売品では、ポスターのイラストを描いてくださっているpanpanya氏の原型によるソフビ人形
「こいのぼりくん」の緋鯉(赤)バージョンの販売がありました。

こちらは事前の告知で反響が大きかったため、混乱を避けるため抽選とさせていただきました。
40体のところ150を超える応募があり、当選番号の発表時には人だかりができてしまい、
動線を含めたスムーズに販売ができるような工夫と、混雑時の販売における不正を防ぐために対策が必要だと感じました。
今後の「こいのぼりくん」製作に関しては、次回の09会場にて子鯉(青)を製作することが決まっていますが、緋鯉(赤)および真鯉(黒)に関してはスケジュール調整などが必要なため現在のところ未定となります。
ご要望も多いので何とか応えていきたいと思っております。決まり次第、アナウンスをしていきますのでお待ちください。

閉会までに販売したパンフレットの冊数は651冊と、前回を50ほど下回る結果です。
この数字にも表れているように運営としては、転換期に差し掛かったということを痛感する回でした。

事務作業で手一杯になり、イベントとしての組立てが甘くなってしまったという事に尽きます。

当日のスタッフ確保は現状で問題ないかと思われますが、開催までの準備会体制の見直しが必要です。
具体的には、告知の頻度を高めること、参加者への伝達をスムーズに行える体制づくり、企画面の充実といった課題だけでも、現在の一人から二人に増やすという事である程度解決できます。

最後に、サークル数が増えることや頒布物の傾向に対して、資料性博覧会の姿勢を書いておきます。

同人誌部門はガッチガチの姿勢を貫いたハードコアな研究本に限らず、視点として面白いものなら大歓迎です。
ここは意見が分かれるところですが、研究本や資料本はこうあるべきという考えの押しつけになってしまうような規定は作りたくないですし、ここを読んでいる方なら悪い虫が疼いて、気が付いたら誰得なリストを構築していたなんて事あるんじゃないですか?、そんな迸りをぶちまける場所が資料性博覧会であれば良いのではないかと思っています。
資料性という括りは手法ではなく、製作した物の持つ特性です。
次回も継続して資料系オールジャンル幅広く受け入れる即売会として開催していく所存です。

創作怪獣ソフビ部門は、それ自体が資料ということではありませんが、参加者に対してマニアックな造形を打ち出してきているのが伝わってきます。
造形の背後にあるものを資料性博覧会の参加者なら理解できるのではないかという、チャレンジングな造形も見られます。
こういった土壌でしか生まれないものが出現する可能性を持つ実験場として、今後も続けていきたいです。

次回こそ、初めから終わりまで居ても楽しめるよう、イベントとしての完成度を高めて、
第10回という記念開催へ弾みをつけたいと思っていますので楽しみにお待ちください!
参加者によるブログ記事:伝説のおにぎり見聞録「資料性博覧会08」
もりさん。ありがとうございます。

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「資料性博覧会08」の入場チケットを兼ねたパンフレットですがカタログとしての機能だけでなく、毎回資料性を重視した特集記事を掲載しています。

今回の特集テーマは「日本のマンガ研究の現在」です。
・「マンガ論の現在」のこれまでとこれから」/岩下朋世
・マンガとイラストレーションの間/寺川賢士
この2つの記事で合計30P以上。取り上げたマンガ研究とその周辺に関する書籍や論考を合計すると180冊以上。それらの書誌情報を多く盛り込み、資料性を意識した構成にしました。

読物から学術書を含めたマンガ研究ガイドとしても楽しめる内容です。補足資料「『漫画主義』書誌情報/リスト制作=寺川賢士」では、冊子版12冊と北冬書房『夜行』の雑誌内雑誌

として掲載された13号と14号の書誌情報を網羅しています。
部数は1000部、当日販売分と献本分に参加サークルおよびディーラー用を省くと残部200ほどですのでお早めにどうぞ。

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