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今回は
忍風戦隊ハリケンジャー DVD全12巻セット
をご紹介します。

放送中の「海賊戦隊ゴーカイジャー」に、ハリケンジャーが登場することが明らかになりました。
それもただのカメオ出演ではなりません。前後編で放送され、しかもハリケンジャー3人が全員勢ぞろいで変身するという展開だとか。はっきりいって破格の扱いといっていいでしょう。

では、なぜハリケンジャーなのでしょう？
こういってはなんですが、2002年に放送された「忍風戦隊ハリケンジャー」は、数多くある戦隊作品のなかでも、決して大人気作・大成功作とは言いかねます。
リアルタイム世代でなければ、はっきり「見ていない」という特撮ファンも少なくはないと想像します。
この前後に放送された「ガオレンジャー」「アバレンジャー」が良くも悪くもインパクトのある作品だったこともあり、全体的な知名度は決して図抜けているわけではなりません。

繰り返しになりますが、なぜハリケンジャーなのか？

ゴーカイジャーというコンテンツの性格を考えたとき、やはり周年記念作である以上、過去作品との関係は特殊なものになります。特に子供以外の視聴者へのアピールは、小さくないものでしょう。
とかく過去作品とのコラボというと、非常に古い作品や、近年の人気作に目が行きがちです。
しかし、この「ハリケンジャー」のピックアップは、作り手側のメッセージを感じるものです。
つまり「ハリケンジャー」をもう一度ちゃんと見てくださいという。

思えばハリケンジャーは、ここ10年の作品のなかでも異質な存在です。
最初から最後まで戦隊側が3人のままだったこと。
主人公たちが正義の味方のほかにきちんと職業を持って働いていること。
敵の幹部が目立っていること、特にフラビージョにいたっては4作品に渡って登場するという異常な存在に。
敵ではない「第3勢力」が存在して、最後には共闘するものの彼らはいわゆる追加戦士にならないところ。
こういった数々の設定は、放送当時の視聴者に目新しさとともに、混乱も招いたことと思われます。
その後、これらのような設定はいろいろな戦隊に盛り込まれますが、これだけ多くの新しい要素は、はたして
戦隊ものに必要だったのかという疑問を持たれることになったでしょう。

本当はハリケンジャーは、主人公と主演俳優陣の成長物語でした。
未熟な忍者3人組が奮闘する姿は、戦隊ものを通して「成長すること」を見せたかった、製作者たちの心が
伝わってきます。

日本が未曾有の災害に見舞われている今、東北に支援をすべく奔走されているハリケンレッド役・塩谷瞬さん。
数多くの作品に出演した今も、ゴーカイジャーを毎週見ているという自称特撮マニアのハリケンブルー役・長澤奈央さん。
9年ぶりのスリーショットでも当時と同じように一人そっぽを向いて笑いを取っているハリケンイエロー役・山本康平さん。
かれらのビルドウングス・ストーリーは、8月14・21日のゴーカイジャー放送回にて、ついに完結し、そのときこそハリケンジャー再評価のときだと思います。

もしつらいことがあったときは、「ハリケンジャー参上！」を口ずさんでみましょう。悔しさに頬をこぼれる涙をふいて、明日を生きる勇気がわいてくると思います。

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(担当有冨)