2009/5/18 21:00掲載
まんだらけ 中野店 4F マニア館

MANDARAKE・TV#7のハードスキン解説補足



今日更新されるMANDARAKE・TV#7の完パケチェックしたら、一番大事な部分抜けてたんで補足です。
原哲夫先生がフレッシュジャンプで「北斗の拳」読切を描いて人気投票1位になって、 じゃあ本誌で連載ってなった時に、絵は描けるけどストーリーが弱いってなった時に じゃあ原作者を小池一夫門下から選ぼうってなったらしく、原作者候補になったのが狩撫麻礼。

でも上がって来た原作は「バトルキッズ」ってタイトルの北斗神拳なんてちっとも出てこない別物だった。

一応、原先生が仕上げたネームをみた狩撫先生はあまり気が乗らず降りる事になる。
原先生はその時、浪花節が解かる人とやりたいってポロッと言った一言が武論尊(史村翔)を引き寄せるきっかけになって、今の「北斗の拳」のコンビが誕生。 (このあたりは東邦出版社『「ダメ!」と言われてメガヒット』をどうぞ。)

で、その「バトルキッズ」っていう作品は狩撫好きなら響くであろう「時は満ちる」なんてフレーズ が出てくる世紀末の荒廃した世界を救うっていう世界観しか残ってない作品。
「キリン」でおなじみの東本昌平の絵でアクションで連載して、ちゃんと単行本も出た。

これだけで「バトルキッズ」=裏「北斗の拳」として扱っても良かったんやけど、 ちゃんと単行本という形で世に出ているものは、 MANDARAKE・TV#7の趣旨に合った禁断作品じゃないわなーてことでこれを複線に「ハードスキン」の話になった。

で、ハードスキンはこの世紀末の荒廃したを救う救世主が現れる部分もちゃんと北斗の拳。
絵は筋肉と黒光りした鉄の塊を同じ質感で描ける男、一部の熱狂的劇画ファンと自分が何者かあると信じる編集者にとってのカリスマ宮谷一彦の直系・ひろき真冬。

双葉社から出した単行本「午後の栄光」を読んで師である宮谷一彦の「ダビデが眠る日」を思い浮かべる人も少なくないはず。
ここで「バトルキッズ」=双葉社=ひろき真冬の流れも出来る。



宮谷一彦を師に、ペーター佐藤から影響を受けた絵柄で、ヤマジュンや山口正児の単行本を出したけいせい出版KEISEI 21 COMICSから単行本を出している部分を含めたら、 ひろき真冬の絵をホモっぽいと捉える人の直感はそんなにはずれてもないと思う。

狩撫麻礼の原作作法はその作家の素養を原作によって最大に引き出すプロデューサー的視点なので、 一緒に組む作家の過去作品を辿り、その方向性を探るところからスタートしている。

出来合いの原作を作家にあてる事が極めて少ない原作者なのだ。この部分はは本そういち「サードギア」のあとがきなんかを読むとよくわかる。 肉弾系の血筋なのは師を見れば明らかだし、週刊漫画サンデーで「タフ」というプロレスラーの話も描いている。 サイバーパンク的な素養は先に触れたKEISEI 21 COMICSで出した「K quarter 1/4」あたり。
これで、この「ハードスキン」へ向かう条件は揃う。

「ハードスキン」のストーリーは、過去の記憶を持たない男が世紀末の荒廃した町にふらりと現れるところからスタートする。 世界観を抜くと狩撫作品の中でほぼ同時期に連載した画・たなか亜希夫「ア・ホーマンス」と同じ設定の作品。

なぜ男は過去の記憶を持たないか?それはこの男が人間ではなくサイボーグだから、 という所まで触れると勘のいい人はわかる思うんですが、 このサイボーグ設定は原作ではなく松田優作が監督・主演を務めた映画版の「ア・ホーマンス」。

この映画のシナリオは原作「ア・ホーマンス」の記憶を持たない男が新宿にふらりと現れるという部分が生かされただけなので、 原作というよりは原案程度の扱いですが、自分で監督・主演を務めるほどだから、 この作品に対して相当な入れ込みがあったことは確かでしょう。

松田優作と言えばケンシロウのモデルですから、ケンシロウ→松田優作→サイボーグという流れが出来上がります。 だから松田優作を間に挟むこの構造の中では、限りなく「ハードスキン」=狩撫版「北斗の拳」なのです。

以上、補足でした。
雑誌通販にハードスキン掲載の「コミックWOO」少量だけアップしましたのでお好きな方は是非どうぞ。

(担当 國澤)

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