まんだらけコンプレック 4F ライトノベルこの世界からの駆け落ち。『この広い世界に二人ぼっち』

萌エロ路線を、
なんだか爆走傾向にあるライトノベル界において、
ここであえてのプラトニックラブ。

森で孤独だった白い狼が、
街で孤独だった黒い少女を見初め、求婚する。

そして狼は、少女と共に在るために森を捨て。
少女は、狼に近づきたいゆえに人を捨てる。
まさに、それぞれの世界からの“駆け落ち”をするのです。

まるで、童話か神話のような筋書きのこの物語には、
少し冷えこんだ夜明け前の様な、
恋しさ、寂しさがいっぱいつまってます。

恋愛要素はプラトニックゆえ若干薄め。
ストーリーの主軸は、少女と狼が
森の狼たちや、学校内のいじめの首謀者など、
それぞれの敵と対峙し、
ふたりで戦っていくところにあります。

牙のない華奢な少女が、ナイフという牙を用いて
獰猛な森の狼に立ち向かう姿は、
思わずこちらも奮い立つぐらい衝撃的でした。

また、そういったアクションシーンもさることながら、
合間の少女と狼の会話がたまらなく、愛しい。

老獪でカタブツ紳士ゆえ、少々奥手な狼と、
それを色っぽく微笑んで翻弄するような少女。
・・・少女は、本当に14歳なんでしょうか？

その幻想的な作品を、イラストとして描きあげるのは、
『しにがみのバラッド。』で人気を博した七草先生。
静けさと、どこか秘密めいた雰囲気を感じる表紙に
担当は思わず手を伸ばしました。
七草先生の描く“白”は本当に綺麗ですね。

また、本作のほかにも
まんだらけコンプレックスでは、
新刊・既刊問わずライトノベルのお持込をお待ちしております。

お持ちのお客様はまんだらけコンプレックスまで足をお運び下さい。

(担当佐藤ま)