まんだらけ名古屋 2F TOY 追悼・川内康範氏「月光仮面」DVD-BOX入荷！

特撮物のテーマ性を語る時、引き合いに出されるのは必ず「佐々木守＆実相寺昭雄」のコンビ。
しかし彼らの作品とて「宇宙人や怪獣」にマイノリティを置き換えて表現をソフトにしています。
それに比べてまぁ川内康範作品の直接的なコト！日本軍に虐待されたミスターKを見れば明らかです。
逆に言えば「告発性」というわかりやすい面の評価はなされているものの、ストーリーテラーとしての評価は定まっていないという事実も有ります。
いずれにしても関連作品は軽く百を越え、終戦直後から平成の世まであらゆるメディアに作品を提供し続けた功績は、国民栄誉賞なんてモノでは称えられないくらい偉大なモノです。
そんな川内氏の「月光仮面」、「どくろ仮面編」「パラダイ王国の秘宝編」、DVD-BOXで入荷しました。
作品内では、悪徳外国人に蹂躙されている日本と、それを懲らしめる正義の使徒月光仮面・・という構図が多々見られ、当時の日本が置かれていた状況と、それに対する川内氏が感じていたであろう歯痒さ、もどかしさが感じ取られ、なかなか興味深いモノがあります。
実際に氏がそれを意図していたかどうかは確かめようがありませんが、シャープ兄弟を倒す力道山や、ソヴィエトに勝った東洋の魔女への熱狂振りを考えると、川内氏に限らず、当時の日本人が共通して抱いていた「敗戦国としてのコンプレックス」とそこから救ってくれる英雄を渇望していた心理、そしてそれに応えようとした川内氏の気持ち・・という想像は、あながち的外れではないように思います。
もし現在の飽食日本に川内氏がヒーロー物を企画したら一体どんな作品が世に出たか？
「月光仮面」を観ながら、思いをめぐらせませんか？

(担当佐光)