「この報告書は、まんだらけのオタク社員たちに富士登山を挑ませた熱血取締役の記録である
普段ろくに運動もせず好きなことだけやっているオタク社員たちが登山部活動の中から健全な精神を培い、
わずか数ヶ月で富士登山をなし遂げた奇跡を通じてその原動力となった、信頼と愛を余すところなく記録化したものになる予定である」

2018年11月1日、2日 登山部 番外編 【鳳凰三山】前編

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めぐさんから、
「黒部ビビってるのは分かったので、
他で今年最後に1泊で山いきましょうよ」とのお誘いというか辻中さんからの刺客。
黒部とは2年前から計画してる黒部下ノ廊下のことなんですが、
検索してもらえれば断崖絶壁に延びるとんでもない画像が次々にでてきます。
えぇ、そりゃ怖いですよ。
自分は高所恐怖症ですし(登山部なのに...)。
黒部は人気で突然行くと言ってもいけるところではありません。
事前に予約しておくなど入念な準備が必要なので泣く泣く断念。
山で1泊するには開いている小屋も少なくなる時期ということもあり、
調べてく中で白羽の矢が立ったのが鳳凰三山でした。

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鳳凰三山...
登山部にとってトラウマ山の一つ。
1日に登る累積標高が3,400m、かかる時間が10時間以上。
日帰り登山で登山部史上最も困難だった山です。
今思い返してもよく日帰りで行ったなとつくづく思います。
2年前の登山部の時は、
青木鉱泉からドンドコ沢を上がって、三山縦走し、青木鉱泉に戻るルートだったのを、
三山縦走するところまでは同じで南の夜叉神峠へ下るルート。
これを1泊2日で行くことにしました。
メンバーは辻中さん、小山さん、めぐさんに自分竹下です。

登山では定番7:00新宿発のあずさ1号に乗り韮崎駅で降ります。

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韮崎駅のホームから目指す地蔵岳のオベリスクが見える。
かっこいいですね。天気も素晴らしい。
韮崎駅からはタクシーで登山口の青木鉱泉へ。
タクシーの運転手がけっこう温泉やら山などに詳しく饒舌にしゃべる。
コンビニにどこか寄ってもらうはなしになってたのですが、
あたりは家もまばらになり山道へ...
辻中さんが運転手に、ここから先にコンビニあるんですか、と尋ねるや否や、
しまったーーーーー!と急ブレーキ。
ごめん、忘れてた。
そうだよね、こんな山奥にコンビニないよね。
それほど遠いわけではなかったので、コンビニまで引き返して、
青木鉱泉に着きました。

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釘を使わない挿し鴨居作りの宿です。
歴史ある木造建築で雰囲気あります。
シンボルマークは丸窓とのこと。
この歴史ある青木鉱泉をスタートとして、
ドンドコ沢ルートと呼ばれる登山道を行きます。
目玉はなんと言っても滝が4連発。
前回行った時は逃した滝もあるので今回は全部行きます!

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1日目は、
このドンドコ沢ルートを行って鳳凰小屋まで。
最大の難所は地蔵岳の山頂直下の白砂地帯。ただそこは2日目になります。
1日目は林道ですが、大きい段差が多々あり歩幅があいづらく、急登もありと、
ここも侮れないです。

ドンドコ沢って変な名前だなと気になり調べたら、
・増水で岩が流される音がドンドコ響いたことから
・地蔵岳が男性のシンボルに似ていることから、
子宝の山として信仰されていて、願掛けに女性が山頂の地蔵を1体下ろし、
願いが叶えば地蔵を2体持って山に登り山頂に置いてお礼をしたとか。
その登る時に太鼓をドンドコ叩きながら登ったから

など諸説あるようです。
たしかに言われてみればオベリスクのかたちは...

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南精進ヶ滝
以前見たときあまり印象に残ってなかったですが、
ダイナミックで迫力ある。

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鳳凰ノ滝
つららが...すごい。
辻中さんがバリバリ食べてました。

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白糸滝
全然白糸じゃない、ダイナミック!
地図で見る限り鳳凰ノ滝のすぐ横なのに、
ここに来るのに30分以上かかりました。
あとで鳳凰小屋で他の登山客ともその話ししたら、
みんな口を合わせて同じことを。

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五色滝
前回は岩の上に登って写真撮りましたが、
滝周辺が氷張っててツルツル。
やはりこの滝が一番凄いです。
すぐ下までいけるのもそうですし迫力が違う。
ただとにかく寒い!
集合写真撮ったらすぐ撤収です。

4つの滝を通過したら開けた場所にでます。

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地蔵岳のオベリスクがクワッと見える。
行者小屋手前の開けた場所に赤岳が見える、あれに近いものがあります。
オベリスクがとにかく威風あってどこから見てもよく目立ちます。
シンボルポーズ。

ここから鳳凰小屋は割と近くです。

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着きましたー
いつものごとくめぐさんは一人先に着き余裕の表情。
男性陣はなかなかに足がパンパンな状態です。
やっぱこのドンドコ沢の登山道楽じゃない。
アップダウンけっこうあるし、きついもんはきつい。
今なら2年前と違い悠々と登れるかと思ってましたが、そんなことはなかったです。

ちなみに鳳凰小屋のキャッチコピーが"聖なる地"。
小屋の中は真っ暗でごはんの時間だけ自家発電をして電気つけるとのことでした。
泊まる場所を案内されたら、
いつものごとく小山さんは秒速で眠りにつき、辻中さんもそれに追随。
自分とめぐさんは1Fの談話室(こたつルーム)でごはんの時まで、
他の登山客と過ごしました。

こたつに足思いっきりいれたら、

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足がゴツゴツと妙な違和感。
少しして熱っ!

炭です。掘りごたつになっていて、手前に足置ける部分ありました。
熱さが一定してないこともあり、ずっと入れてると異常な熱さになって、
少しだしてまた入れてを繰り返していました。
ちなみにこの日の気温は0度。
こたつに入ってないと猛烈寒いです。下界とは別世界。

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定番のマンガチェック。
マンガは少なく「ジパング」の一部巻とナウシカのフィルムコミックのみ。
それにしても山小屋にあるマンガでナウシカ率はものすごく高い。

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17:00 夕食
カレーです。おかわり自由。
自分と小山さんはいつものごとくバリバリおかわり。
めぐさんは胃が受け付けないようで少しだけ。
辻中さんが珍しく盛り盛りおかわりしていました。
ただ表情は神妙な面持ち。
あまりの寒さに食べとかないとやられると、
サバイブ感ほとばしる食事でした。

食事終わったら電気消えるのでもう真っ暗。

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こたつルームはランプです。
アグネス・ラムのポスターがいい雰囲気だしています。

夜が長い...
眠りにつくには早すぎる、まだ17時台ですよ。
(小山さんはカレー食べたら早々に寝てましたが)
なんとか粘って19時くらいまでは起きてましたが、
こたつに入っていたら、18時台でもウトウトしてきました。
「ちびまる子ちゃん」の極楽コース
(こたつで寝たら、おじいちゃんがふとんまで運んでくれる)
を今日ほど所望したいと思った時はなかったです。
それもありふとんに移動したらすぐに眠りに落ちていたようです。

深夜、自分以外のメンバーは星空を見に行って、
満天の星空を楽しんだようです。
自分は眠りの世界へ朝4時までほぼノンストップでした。

明日はいきなりクライマックス、
地蔵岳の山頂直下にサラサラの白砂との戦いが待っています。

コンプレックス 竹下

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