2017年2月24日 第二十六回活動報告【木曾駒ケ岳(きそこまがたけ)】

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第26回目の登山部では初めて新宿バスタから長距離バスを利用しての登山です。
木曾駒ケ岳まではまず新宿から菅の台バスセンターまで3時間半。

そこで、冬用タイヤを履いたバスに乗り換えて1時間。
待ち時間や家から集合場所までの時間などを入れると、往復で10時間を超え、日帰り登山では限界に近い移動時間だ。
菅の台バスセンターでは、名古屋から参加の安永と合流。
最近、登山部へはすっかり顔を出さなくなったが、名古屋からはアクセスが良いせいか木曾駒だけには顔を出す。

今回のメンバーは、副社長、竹下、大庭、鍋島、藤川姉妹、秋山、西田+安永の9名です。
果たして冬の木曾駒は私たち素人登山部で登れる山かどうか。
2週間ほど前に副社長、竹下、安永、小山の4名は下見で登って来たらしい。
その日は悪天候で、腰まで雪に埋もれながら、ラッセルで前に進みながらも吹雪で視界が悪く、山頂に辿り着くことが出来ず、下りは転がるように下りてきたらしい。
それが今回はどうだ!ピーカンそのもので、これ以上ないくらいな青空が広がっている。
千畳敷カールまではケーブルカーで8分。


私は今回のために購入した雪山用の登山靴に、ビーバーのような前爪がしっかりした12本アイゼンを備えて臨んだ。
しかしいざ、登山を開始しようとすると、眼前にはまだ新しい雪崩の跡が・・
しかも、晴天なのに登山客がほとんどいない・・・?



歩き始めて30分。指揮を司る副社長が中止を決めた。
「今日はもうやめよう。これ以上は自分たちの装備では危ない」そう、みんなの持っているアイゼンではつるっつるに固まった斜面を登ることは不可能だった。
安永、鍋島、私の3人はしっかりしたアイゼンを持っていたので、アイゼンを前爪を利かせてもう少しだけ先に進んでみた。


大きな岩の周りは、岩の放つ温度に温められた雪が急速に溶けかけている。
雪のコンディションの違いが登山の困難さを示している。
「私たちもこのあたりでやめよう」そう二人に声を掛けて下山開始。
下から副社長の怒号が飛ぶ。「やすながー!3点で下りろ!」
前向きのふざけた格好で下りようとする安永が叱られた。

3点下りとは、雪面に四つん這いになった状態で、両手両足のうちの 2点を同時に雪面から離すことなく、イチ、ニ、サンと声かけしながら 慎重に下りていく手法らしく、難しい斜面での滑落を防止することが出来る。
ちょっとでも気を緩めると一気に数百メートル滑落の危険性を含んだ斜面で緊張感が張り詰める。

やっと安心出来る位置に戻って来た時、竹下がはるか下の方でまだ一歩ずつ慎重に後ろ向きに下りているのが小さく見えた。
いやいや、もうその必要ないでしょ!
と笑っていると、先ほどまで私たちが居た場所から二人滑落!
そしてすぐ後にまた別の人が滑落!滑落ルートに人がいる!
副社長が上に向かって「危ない!」と叫ぶ。

立ってるのも大変な斜面で落ちてきた人を避けることは不可能に近い。
そこにいた人を少し巻き込んで、その人はかなりの距離を滑落してやっと止まった。
千畳敷カールの向こう側には素晴らしい風景が待ち構えているのは間違いないが、何よりもまずは安全第一だと深く感じた今回の登山でした。




登山途中断念で体は全然疲れてはいなかったものの、夕食は行く前から竹下が決めていた名物のソースカツ丼に強制的に決まった。。
普通盛りでさえ茶碗4杯分はあろうかというデカ盛りなのに、副社長と秋山は大盛りを注文!ありえないでしょ!!




秋山は今日一番のがんばりを見せて大盛りソースカツ丼完食!!
運動量の割には多すぎる食事を終えて、一行はバスに乗り込んで長い復路に着いた。

同じ山でも夏と冬ではまったく違う山になります。
素晴らしい千畳敷カールを来年もまたアタックしたいと思う私たちは懲りない連中だなとつくづく感じています。

【レポート:西田】

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