「この報告書は、まんだらけのオタク社員たちに富士登山を挑ませた熱血取締役の記録である
普段ろくに運動もせず好きなことだけやっているオタク社員たちが登山部活動の中から健全な精神を培い、
わずか数ヶ月で富士登山をなし遂げた奇跡を通じてその原動力となった、信頼と愛を余すところなく記録化したものになる予定である」

2014年10月3日(金)登山部 第五回活動報告【谷川連峰・平標山(たいらつぴょうやま)〜仙ノ倉山】

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【タイムスケジュール】
7:00中野ブロードウェイ早稲田口に集合
10:15平標登山口 駐車場到着
10:20平元新道ルート侵入
11:00脇道に入って迷う(1回目)
11:55脇道に入って迷う(2回目)
12:40平元新道コースの登山口に辿り着く
13:40平標山の山小屋に到着
14:40平標山の山頂に到着
15:00仙ノ倉アタック隊と山頂折り返し組に分かれて行動
15:45仙ノ倉アタック隊、平標山頂に帰還
16:00仙ノ倉アタック隊、松手山コースで下山開始
18:00仙ノ倉アタック隊、駐車場到着
22:00中野ブロードウェイ早稲田口に到着


"第5回まんだらけ登山部のターゲットになった山は谷川連峰・平標山(たいらぴょうやま)〜仙ノ倉山。2000m級の山々だ。最初に候補に上がった紅葉が素晴らしい那須岳は、見通しが良いコースにトイレがなく、それが女子にはちょっとキビしいとやむなく断念。

まんだらけには29人乗りの社員専用バスがあり、そのバスを使っての富士登山があまりに快適だったので、また今回もバスを利用させてもらうことにした。

今回は、なかっちゃん(映像部/中津)が子守のため欠席。その代わりに、登山部顧問で取締役の辻中と名古屋店店長の安永、ドライバーの秋山が初参戦。総勢11名での登山となった。ラーメン好きの顧問は、「帰りは○○でラーメン食べよう」とバスの中でラーメンの話で盛り上がる。そこの蛤出汁のラーメンは相当美味しいとのことで、ラーメンに興味がない私でもちょっと食べてみたくなるほどの顧問のレクチャーを聞いているうちに、バスは3時間かかって新潟県・南魚沼に到着した。

登山口に向かう途中、『人も車も立入禁止』の看板発見。
「登山道はこっちの方じゃないかな?」と顧問が指さした方向には、道はあるにはあるが、登山道とは言い難い雰囲気。地図を持ってきたのは、川代部長ただ一人。「ここは違う気がするなあ〜」「間違っていたら行き止まりですよ」と言う川代さんの言葉を無視し、一行はその道なき道を進むことにした。

辺りを散策した竹下が、「こっちに階段あります、間違いないです!」と自信たっぷりに言うもんだから、みんな竹下の後をゾロゾロとついて行った。途中、足をかける場所ないような斜面、整備されていない階段、これが登山道?と疑いたくなる道を登り続けたその先にあったのは鉄塔だけ。そして、川代さんの予想通り、やっぱり行き止まりだった・・・ 我々は、工事関係者しか使わない道を登山道と思って登り続けてしまったようだ。

顧問は、すでに5分の1の体力を消費してしまったようだったが、登って来た道を戻るしかない。道が間違いだったことが判明すると、こんな道をよくも全員で登ったもんだと呆れる。気を取り直して、もう一度、立入禁止のフェンスに向かって歩く。竹下がこっちを向いて笑顔で手招きしている。「ありました、ありました!ここでした!」指差された道は、立入禁止のフェンスの一歩手前、登山道らしき道がある。でも、そこに垂れ下がる怪しげな黄色と黒の古いロープ。私達の不安をよそに、竹下は「あ〜、ここでしたね〜」と言いながら、今回の登山のために用意したクマ除けの鈴を慣らしながら軽快に進んで行く。私達もロ−プをまたいで付いていくと、道いっぱいに腰の丈ほどある蓮の葉のような植物が覆い茂っている。しばらく人が踏み込んだ形跡もない。先に進むと「え?川渡るの?」と戸惑いながら、みんなで川も超えた。そしてまさかの二度目の行き止まり!またもや業者の道に足を踏み入れてしまったようだ。

また振り出しに戻った。2時間分の時間と体力のロス。ドライバー秋山と広報鍋島は「今日はもう温泉にでも入って帰りましょか」と、温泉コースを誘導し始める。もう一度スタート地点に戻ると、立入禁止のフェンスを超えてすぐに「平標山⇒」の標識が!みんな真面目過ぎて、立入禁止を超えることが出来ずにさまよい歩いていたというわけだ。
気を取り直して、やっと正しい登山道で登山開始。この時すでに時間は正午を回っていた。

平標山の登りはそこそこキツイ。一般的な松手山ルートは、約2キロで600m上がる。それが大変だからと言って、反対回りを強硬に押してきた顧問と竹下。そして全員で迷子になった。勾配の緩いルートでも、長く永遠に続くような階段にみんな息が上がっている。名古屋の安永店長は、酸欠になりながら無酸素状態で先頭を登っていく。そんな無理しなくても・・と思ったのだが、こだわりが強く、アドバイスは聞かないタイプなので、放っておくことにした。ドライバーの秋山は、運転の疲れを感じさせない軽いフットワークだが、喫煙の影響か、次第に口数が減ってきた。藤川姉妹、顧問と同じペースでゆっくりながら弱音も吐かず、いつものように笑顔を絶やさず登り続ける。いつも快調な小山くんが今日はちょっとしんどそうだ。仕事の疲れが出ているようで、鉛のような体をズルズルと引きずりながら登っていく。息も上がらず、ペースも落とさずに進んで行くのは久保田。どこまででもどこまでも登れそうだ。クマ鈴の音で竹下の居場所が分かりやすい。このクマ鈴、初めは馬鹿にしていたのだが、何かケモノ臭のような匂いに、何者かに遭遇しそうな気配を感じ、私は出来るだけ竹下の鈴が届く範囲を歩くことにした。
こんな場所、とても怖くて一人では登れない。

そうこうしている間に、平標山の山小屋に到着。まだ、頂上までは1時間ほどあるが、ここで少し休憩。沢の水が冷たくて気持ちいい。安永、非常食のライスに水を入れて食べようとするが、出来上がるまでに40分もかかると知ってショック。鍋島、今回の山は、あまりにひっそりしていて出会ったのはおばさんのパーティ一組だけ。声をかける女の子はいない。しばらくすると、顧問が雨にでも降られたかのように、汗びっしょりになって到着。まだここから平標山山頂まで登り、更に仙ノ倉まで行って折り返す予定だったが、すでに体力の5分の4を使い果たした顧問は、仙ノ倉アタック隊と山頂折り返し組を分けようと提案してきた。2時間のロスがなければ間違いなく全員仙ノ倉まで行けたのだが、ここは顧問の提案に従う方が安全だ。

結局、仙ノ倉アタックは、竹下、久保田、小山、鍋島、西田の5人。
山頂コースは、辻中、川代、秋山、安永、藤川姉妹の6人。
アタック隊にはヘッドライトが必要になる可能性があるが、持ってきていたのは竹下と藤川姉妹だけ。夕方5時半を過ぎると山の中は真っ暗になる。ギリギリ暗くなる前には戻れる計算だったが、念のため藤川姉妹から貸してもらったヘッドライト、これが後で本当に役に立った。

仙ノ倉アタック隊が松手山ルートで下山開始。この時期の稜線歩きは、実に楽しい。今までの登山にない山の様子に一同感動。まるでスイスの山を歩いているみたいだ。スイスの山は行ったことないけど・・・ 晴れていたらどんなに素晴らしいだろう・・・ と想像するだけで感動する。ハイスピードで雲が流れる様子は、まるでラピュタの世界にいるよう。感動しまくりの竹下、何度も何度も私達を振り返り、「ここはホントにいいっすね〜」「こういうのを経験すると、もうその辺の山に登れないですね〜」ついこの前までその辺の山もロープウエイで登っていたくせに、一端のクライマーのような発言が飛び出す。途中で細かい雨も降り、足元が滑りやすくなってきている。登りもキツイが、下りはもっとキツイ。私も何度か足を滑らせて大きく転倒。崖から落ちそうにもなった。

下りで時間が巻けないのが辛い。久保田に顧問から電話が入った。その場所からは私達の足なら30分程度で着くと言われ、後もう一息と思ったところで、辺りが真っ暗になった。山の下の方からこっちに向けて叫んでいるような声が聞こえる。「大丈夫だよ〜」とか「もうすぐだよ〜」とか言っているような気がする。きっと先に着いたメンバーたちからだろうけど、アタック隊は返事をする気力もなさそうだ。仕方がないので、私が持っていた笛で合図する。暗闇に疲労感が高まる。車の音が聞こえ出し、メンバーの声が近くなってくると、安心感からか、少しだけスピードが上がった気がした。それでも、足元が悪く、慎重にならざるを得ず、予定時間を30分オーバーしてやっと麓に辿り着いた。顧問が満面の笑みで迎えてくれた。アタック隊5名がバスまで戻ってきたのが18時。あ〜、無事に帰ってこられて良かったー!顧問、早くも筋肉痛でバスの中で移動するのもままならない。

みんな体の動きがぎこちないほど、今回はかなり体を張った登山になった。私達より随分早く到着した秋山は、バスの中で一眠りして充電OK、明日も仕事のメンバーのために安全運転で帰路を急ぐ。顧問お勧めのラーメンは今回は時間が足りずに泣く泣く諦め、途中のインターで軽く食事休憩。
中野には22時に到着。今回もまた15時間に及ぶ弾丸登山。
日帰りでどこまで行けるかまんだらけ登山部。
次回は、11月21日、前回諦めた那須岳にチャレンジ。トイレがない問題はもうどうでもよくなった。
次回で今年最後の登山となる予定です。どうか晴れますように!!"


今回はなかっちゃん(映像部/中津)が編集してくれた動画があります。

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