リリシズム 上村一夫の世界 まんだらけ全店、通信販売にて発売中


「セクサス48」第1回。原作:阿久悠。
『週刊漫画アクション』1968年6月20日号掲載。28ページ (カラー12ページ、モノクロ16ページ) 。 イラストレーターとデザイナー時代の感覚がある色遣いとタッチに驚愕、すでに画の巧さがきわだっている。 現存するもっとも古い上村の劇画原稿から再録。


「鶏頭の花」。 『週刊少年マガジン』1970年9月20日号掲載。30ページ (カラー16ページ、モノクロ16ページ) 。 「連作/密猟記」のうちの一篇。多くの話題作を抱えていた同誌でも、上村の登場は評判を呼び、また、大きな転機となる作品になった。 ここでは2色ページ用に描かれた原画をカラーで掲載、美しい筆致をさらに堪能できる。


連作「おんな昆虫記」シリーズ第1回。
『ヤングコミック』1972年1月12日号掲載。26ページ。
このシリーズで「怨獄紅」で花開いた上村美学が一つの完成形を見せている。 上村自選の短編集には必ずこのシリーズからもセレクトされており、彼自身が気に入っていた作品だった。 サブタイトルにある「藤純子」は当時任侠映画で絶大な人気を誇っていた女優で、この頃突然に結婚・引退を発表して、ファンに衝撃を与えた。


「夢師アリス」最終話の後編。原作:岡崎英生。
『ヤングコミック』1974年12月11日号掲載。24ページ。
少女アリスが一生背負い続けなければならない秘密が彼女の履歴書に深く刻まれてゆく。 岡崎の物語にアリスの美しさが映えるアバンギャルドファンタジーが心地よい。


「修学旅行」。
『ビッグコミック』1974年10月10日号掲載。27ページ。
短編。ビッグネームの作家たちが顔を揃える同誌に、ゲストとして堂々と登場、短編作家としての手腕を充分に発揮した一作。 ラストシーンの美しき「風景」と、愛憎渦巻くストーリーとの対比が絶妙。上村の業が冴える。