2009/9/28 21:00掲載
まんだらけ 小倉店

L.S.C in 小倉 〜ライトノベル普及委員会〜【第34回】文庫とハードカバーの間に横たわる何か(その4)

前回の続きから始めます。といっても今回はまとまらなかったので短めです。
話題はこの人を中心に。


(図1 絵画的な辺りも流石というか。)


ものすごく俗っぽい表現をするなら「ライトノベル出身作家の出世頭」といえば、この桜庭一樹先生(図1)ということになるでしょう。いくら権威主義だなんだといっても『直木賞受賞作家』というのはインパクトがあります。
桜庭先生は、男性名義の女性作家、という点で以前に取り上げた有川浩先生と共通点が多いようですが、実際にはそのキャリアにはかなり違いがあります。
デビュー後即作品が各メディアで取り上げられた有川先生と違い、桜庭先生はフリーライターとしてデビュー後、ゲームシナリオ・ゲームノベライズなどの仕事を経ています。桜庭一樹名義のデビューがファミ通文庫というのも、その
特徴的な経歴を表しているといえます。


(図2 異色と思わせないですね)


上記の「EVE The Lost One」(図2)や「マーメイドの季節」などのゲームシナリオも手がけていた桜庭先生は、ゲーム小説やミステリー風ライトノベル、はてはBL風の小説までも書いています。
その執筆経歴は、短いながらも”ライトノベルがこの十数年にたどってきたある種の遍歴”を表しているようでもあります。
桜庭先生は、ライトノベルを経て一般小説に向かったとされる作家ですが、その資質や志向はかなり首尾一貫して「女性」「少女」というものを取り上げています。
「ライトノベルに必要なのは、その消費される速度だ」と言ったのは大塚英志先生でしたが、桜庭先生こそはその「消費される速度」として、むしろ好き好んでライトノベルを書いていたようにも思えます。

ここまで書いてまだまとまらないので、次回はこの話の結論(?)をなんとか。

(担当 有冨)

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