まんだらけ 小倉店

L.S.C in 小倉 〜ライトノベル普及委員会〜【第10回】座右の銘「こいつぁ、すごいぜ」を知っている人へ(その2)

今回も、自分が好きだった古いライトノベルを中心にとりとめなく書いていきたいと思います。

(図1)

「パンゲア」は、スニーカー文庫創成期の冒険ものライトノベルです。
作者は松枝蔵人先生。当時まだパソコン雑誌色の強かった「月刊コンプティーク」に連載されていました。
『平凡な主人公が壮大な冒険に巻き込まれていく』という、王道ともいうべきストーリーで、まさに真正面からエンターテインメントに
挑戦したストーリーといえます。広げた大風呂敷的なストーリーをラストでしっかりたたんでいる点でも、今読んでも色あせない
名作です。
主人公が事件に巻き込まれるきっかけが『パソコン通信』というのが時代を感じます。


現在でもライトノベルはイラストとのシンクロが作品の内容に影響を与えることが多いですが、この作品でもイラスト・吉冨昭仁先生の
影響が非常に強く、合作といってもいい内容です。のちに「ローンナイト」「RAY」でヒットを飛ばす吉冨先生の片鱗がのぞけます。

(図2)

「瑠璃丸伝 当世しのび草紙」は、松枝先生の「パンゲア」の次にあたる作品です。前作まで同様、当初は月刊コンプティーク連載でした、
いわゆる「メディアワークス設立」の際に、他のいくつかの作品とともに電撃文庫の創刊作品になりました。
現代に暮らす忍者たちの事情と、じょじょに明らかになっていくバックストーリーを交互に描いていく手法でした。
しかしすでにライトノベルの過渡期で、他の作品たちが非常にテンポが速くなっていくなか、月刊連載が溜まってから本が発売、という
スタイルが既に時流にあわなくなってしまったためか、刊行ペースは巻が進むにつれさらに遅れていきました。
ファンでも最終巻まで読んだ方は少ないのではないでしょうか。ちなみに全7巻出ています。

このほか松枝先生は「ソーサリアン創世記」や「ジェラルディン・サーガ」や、さらに古いところでは「ダーティ・ペア」のゲームブック
なども書いています。ライトノベル創成期から過渡期を支えた作家のひとりなのですが、ここ10年ほどは作品が発表されていません。

今回も30歳以上向けの内容でしたが、以上になります。
次回のネタも古いラノベです。

(担当 有冨)

※この記事は2008/11/26に掲載したものです。
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