岩井の本棚 Presents

まんだらけ マンガ Best 2015

今年もお世話になりました。まんだらけスタッフによる「今年読んだマンガのランキング」です。
その年のコミックベストをスタッフ個人個人で発表するという企画ですが、じつに数年ぶりに復活です。
ルールは特にありません。
その年に発行された本云々とか、そういったくくりなく「その年に読んだ本」から選ぶというだけ。
我々は古本屋なので、範囲は「今までに発行されたマンガすべて」。
そして選定基準は単純に「好み」です。
あと個人の好みを加点して合計出しても意味ないと思うので、みんなのランキングをさらに総合計は出しません。
古いデータはいまでも「岩井の本棚」のトップページのしたーの方に残ってますので、過年度になにが選ばれたかを知りたい方はそちらへどうぞ。




ことしのランキングでもっとも先が気になったというか、「なんだよこれ。来週どうなんだよ」って思った作品って何かというと、「喧嘩稼業」であり「刃牙道」だったりするわけですが、でも優れた作品として選ぶかなといわれたら微妙だったり、先は気になって真っ先に読むけれど単行本は買わなかったりとか。今年新規に読んだ本よりも、再読した本のほうが感動したとか。面白くて、単行本もきちんと買って、満足もしたけれど、でも読んだあと何かがひっかかることなく、その作品のことを考えることなく終わってしまったとか。そんなことはまあ、マンガ読んでるとままあるんじゃないですかね。 娯楽として優れているものがベストに来ないのはおかしいだろ、ていう視点で、某誌の何年か前のベストで「ONEPIECE」が1位になったとき議論を呼んだわけですが、それとおなじことをもっかい考え直してみたり。
今回ベストを段組むにあたってそんなことを考えたんですよ。なので自分なりのベストでいいんじゃないかと。
というわけで、僕のベストは、面白かったのはもちろんですが、今年この作品を読んで「ひっかかった」「妙に考えることが多かった」「あげくに夢に出た」作品です。 自分の中で「新規」といえるものはまずこちら。既に完了してて、かつて一度読んだ作品は「再読」のランキングに入れます。


1位 つくしあきひと「メイドインアビス」

ダントツというわけではありませんが、しきりに作中のことを思い出したり、これから眠るぞというときに限ってミーティの死に際の描写が思い出されたりとか。3巻が重たかっただけあり心の深層にくっついてきたのかもしれません。

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2位 石塚真一「BLUE GIANT」

最初に石塚真一がジャズのマンガ描くよと聞いたときには、多少なりとも不安があった。いままで描かれたジャズのマンガは、リスニング時間数が多く音楽に対して多少なりともスノッブな漫画家がジャズのよさについて一方的に語る話が多く、ジャズに対して興味がない層には向いていない気がするものだったので。 しかし読んでみたら直球の情熱マンガ。何度も泣かされました。ジャズとはソロで、己をむき出しにすること。ソロで苦闘したり、音楽と一体化するシーンの具現化というのも、ジャズに興味ない層にも伝わりやすかった。 とはいえ7巻の「SoBLUE」の平さんが雪祈にズケズケ言うシーンは心に来たなあ。

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2位 入江喜和「たそがれたかこ」

娘の拒食症が思い雰囲気を漂わせている中、初のライブにいったりナスティのボーカルの子の名前の由来となった「谷在家」 に散歩しにいくたかこさん。取り巻く環境はけして明るくないのに、歳も仕事も違う何人かの男性たちの影響で、どんどん若返っていく主人公が見ていて「読み続けたくなる」雰囲気。この「物語の展開を急いて追う欲求はさほどないものの」読み続けたくなる雰囲気があるかどうかが、自分の好きな作家かどうかなんだろうか。 それでも前作「おかめ日和」は長く続くうちに主婦にしか共感がわかないだろういくつかの要素が自分にはだんだん重荷になってきて12巻くらいで読むのを挫折してしまった悔いがあるので、今回は見届けたい。

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3位 柳本光晴「響〜小説家になる方法」

主人公もだけれど、周りにいる人たちが気になる個性ばかり。キャラも言動も印象的なので妙に思い出すことが多いですね。天才がゆえに人の感情に触れる言動をする響とか、ゴツい女性作家が少女趣味な服装してて嘲笑されるあのシーンとか、天才を目の当たりにしたリカや中原さんの心とか、いまは新鮮味のないかつての流行作家が現役バリバリのリカの父親に「どう?爆弾落とせた?」と訊かれてうなだれるとか、やっぱりこの作家さんは素晴らしい。 前作「女の子が死ぬ話」を読むと構成の巧さが、そしてもとはラブコメの妙手なのだなと気づかされるのが「きっと可愛い女の子だから」。全部読んでほしいです。

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4位 ヒラマツ・ミノル「アサギロ」

新刊が出るたびに1巻から読み返しているんですが、そのたびに面白さが増してくる。芹沢鴨死ぬところが楽しみ。

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5位 さいとう・たかを「ゴルゴ13」

今年後半に公開された、第557話「33+G」に驚いた。南米で要人を暗殺したゴルゴが、ボロボロの鉱山に作業員に化けて潜伏。 ところが落盤が起きてゴルゴら34人が閉じ込められる。食料が乏しく、一日ひとりツナ缶がスプーン1匙ぶんしかない。 なんとか救出作業がすすむが、そこから救出されるとマスコミが待ち構えている。身元がばれるのは避けたいゴルゴは「おれはここで死ぬ。 このまま即身仏になるから俺のことはほっておいてくれ」。ゴルゴが即身仏に!  この回はゴルゴの状況分析による述懐も多く、普段のゴルゴとは違うムードがあって長くからのゴルゴファンを驚かせた。


以下順不同
押見修造「ぼくは麻理のなか」 通販はこちらから。
山口貴由「衛府の七忍」 通販はこちらから。
池上遼一「アダムとイブ」山本英夫原作との意外な相性のよさと、スメルさん
尾瀬あきら「どうらく息子」 通販はこちらから。
能条純一「月をさすゆび」どう考えてもとくだん面白い話じゃないと思うんだけれど、毎回2回は読み返してしまう。それがわからない。わからないながらも読んでいる。 通販はこちらから。
伊図透「銃座のウルナ」歯茎。
相田裕「1518!」相田さんほどの才人が描くテーマなのかなと思ったけれど、何故か何度も読み直してしまう。 通販はこちらから。
幸村誠「ヴィンランド・サガ」巻を増すほどに面白くなる。 通販はこちらから。
新井英樹「なぎさにて」今の段階ではそんなに面白くないんだけれど、これも寝しなにマンガのシーンが頭に浮かぶ。何か気になっているんだと思います。 通販はこちらから。
木多康昭「喧嘩稼業」 通販はこちらから。
ゴトウユキコ「水色の部屋」 通販はこちらから。

再読
さだやす圭「ああ播磨灘」 通販はこちらから。
「フォーシーム」で孫六が出てきて、さだやす熱が復活。相撲以外でも播磨の行動のワケのわからなさと、取り囲む周りの人々のお祭り感が、あの「沈黙の艦隊」やってて最大風速吹いてたころのモーニングって感じでいいなあ。播磨がプロレスやったあと「知らんのう」とシラを切る回が好きすぎる。
青柳裕介「まぐろ土佐船」
谷口ジロー「神々の山嶺」 通販はこちらから。
岩明均「七夕の国」 通販はこちらから。
「寄生獣」「ヒストリエ」と比べてあんまりいま評されない不遇の作品なんだけれど、何故だろう?面白いのに。




twitterで、艦これを始めた小池一夫氏が「バブみ」について知りたがるという一幕がありました。
年下女性(キャラクター)に感じる母性を「バブみ」と言うそうですが、しかしこれ、小池一夫氏から見れば大概のキャラクターは年下になってしまうンじゃないかと思いつつ…。

話が逸れましたが、私はまだまだ年上の母性を感じたい年頃なのです。
ところで、癒し漫画という観点でいくと「夏の前日」のような年上お姉さんとのお付き合いも勿論おいしいのですが、見ていてもやもやするというか、羨望する気持ちが大きくなってきてあまり癒されないものです。 そこで私が推していきたいのは、所謂「おねショタ」と呼ばれるジャンルです。
まず、主人公が少年であるため自己を投影する読み方でなく完全な傍観者として楽しめるのがひとつのポイントで、これは百合漫画の楽しみ方とも通じるものがあるのではないかと思います。 「百合男子」に「我思う、ゆえに百合あり だがそこに我必要なし」という名言(迷言?)がありますが、まさにそれです。 キャッキャウフフしている少年とお姉さん。最高です。

さて、前置きが長くなりましたが、私が今年のベスト漫画として推したいのはこちらです。

一迅社 ねこうめ「すのはら荘の管理人さん」

表紙のイメージそのまま、期待通りの内容の見事な王道おねショタ漫画です。 巨乳お姉さんの癒しのインパクトといったらそれはもう、すごい。 最近私が「ビッグコミックオリジナル」ばかり読んでいるせいもありますが、こういう四コマはたまに読むと脳内麻薬が出るというか、いいものです。


「私が管理してあげるね」これぞ王道おねショタの台詞!

血のつながりもないただ歳の離れたお姉さんと、思春期真っ盛りの中学生男子が一つ屋根の下で暮らす。 このいつ一線を越えてもおかしくない危うさが実にエキサイティング。 まぁ、少年誌なので勿論越えないということも察しつつ・・・。


どうする少年!?
脇を固めるサブヒロインの年上3人もロリっ子、クール天然系、腹黒系と手堅いメンツ。 そしてこれもショタのお約束、強制女装もあります!メイド服!着用姿はお楽しみです。


今年の漫画で癒され度ナンバーワン。 日常に疲れた束の間のひと時に読むには最高の漫画でした。 今年は特にファンタジーと食漫画が強い世の中の風潮でしたが、日常系もまだまだ捨てたものではないな、という作品でした。


ちなみに、同作家の「こはる日和」は百合百合しい感じの女子高生四コマで、こちらもお勧めです。

芳文社 ねこうめ「こはる日和。」

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ナルトがまさかのヒナタエンドだったり結局ベルセルクが出なかったり、あとは最後の最後でおそ松さんが市場をさらったりした今年。そんな一年を通して読んだ数多の漫画の中から、群を抜く「世界観」を誇る3作品を選びました。

■掘骨砕三『下水街』『夜に虚就く』

下水街の新装版『濁淦(にごりあか) 』の発売を待ってプレミア価格の下落を狙い旧装版をAmazonでハンティングしたら一番良心的な価格で出品してたのがめちゃくちゃ近所の古本屋でした。 …というほっこりエピソードと共にようやく手に入れた『下水街』。

漫画に対する「好き」にはいろいろありますが、このシリーズに関してはとても腑に落ちるというか、自分の趣味嗜好にしっくりきて非常ーに納得するという妙な感覚があります。 人外どころの話ではない異形なキャラばかりなのにいとおしく、どんな境遇や展開にも悲壮感ゼロでロリショタがエロエロでキャッキャウフフ。昆虫や節足動物の肢体は博物誌のごとく描き込まれ、薄暗い生活空間は秘密基地のよう。それになんてったってカワイイ…!!


どの子も人懐っこさが滲んでいて、下水の街なのだから湿気は多いんだろうなぁとか、ふにふにの肌はしめってていろんな匂いがするんだろうなぁとか…妄想は広がるばかり。そんな童話的、かつある種の理想郷に近い世界観で埋め尽くされています。 そしてもう一つ。扉絵がとてつもなくカッコイイ。


こういうところに作家の底力が現れている気がします。あとこのタイトルコールは落語の題目のようにも見えたり。 『下水街』の初期の絵柄は大分雰囲気が違うので、ぷにぷにほっぺから入った人は少しビビるかも知れません(でも…いいよ…すごくいい)。全三部作らしいこのシリーズ、最後の1冊が世に出るまで10年でも20年でも待つ所存。

■樫木祐人『ハクメイとミコチ』

大学の時に先輩が「小さい頃アタゴオル読んでさ、なんで自分は人間界になんて生まれちゃったんだろうって後悔してた」と語った言葉を再び思い出す作品。 2頭身でもちっとした小人(9cm)の目線に広がる圧倒的な自然。森の木の根を縫ってあらゆる雑草の中を分け入り、プチトマトを抱えて帰ってごはんを作る。 とにかく動植物とのサイズ対比が素晴らしく、その上でちゃんと共存して文化を作っている世界観は破格もの。


ヨーロッパのような町並みはファンタジーの定石通りですが、この漫画のいいところは別にあります。 バラックや闇市を思わせる雑多な高層建築、風車、果ては猛禽類のフクロウまで。 「自分より遥かにでかくて高い」存在の描写力が非常に高く、画面そのものがジオラマのように感じる時があります。


そんでやっぱりグルメ。現実の食材の大きさを踏襲しつつあらゆる料理を作っていて、なんかこう…干物だのピクルスだのやたら酒の肴になりそうなメニューが頻出。 この「キノコのオイル煮」、おいしそう過ぎて実際に作りましたよ。酒にもごはんにも合うこと限りなし。


なんだか家の掃除も料理も洗濯も、自分の手で生活を形作るのがとても楽しそうに思えてきます。そんな意味では、昔遊んだシルバニアファミリーに近いものを感じる作品なのかも知れません。

■『オメガバースプロジェクトT〜Y』

※オメガバースとは?
BLにおける欧米発祥の世界観で、生まれつき人間にはα、Ω、βの3タイプがあるというもの。 優秀なα、特殊な性ホルモンを持つΩ、一般人のβに分かれる。異性と同様に同姓同士の結婚及び性交・妊娠が可能であり、社会的にも広く認知されている。 またΩは性交時に首を噛まれることによって相手とつがいになり、生涯を共にする。 ……とゆー非常ーにGJな設定を日本に輸入したBLアンソロ雑誌を挙げますよ。 既存の常識が瓦解した、ホモ百合子作り全肯定の世界。 鼻の利く腐女子の間では既に二次創作でおいしく調理されている題材ではあるのですが、その新ジャンルが商業進出する先陣を切ったのが『オメガバースプロジェクト』。 表紙の雰囲気からしても「只者じゃない」感のある意欲作シリーズです。 中でも一番グッときたこのシーンをどうぞ。


yoha『さよなら恋人またきて友達』

Ωの同級生を囲んでじゃれるフリをしながら実はエロ目的しか頭になく、つがい防止の首輪を外そうとしていたα男子達。 オメガバース自体が独特な世界観で地盤がしっかりしているために、うまい描き手ならばストーリーに類を見ない説得力が生まれます。 お決まりのハッピーエンドに向かうだけの話とは一線を画し、いろんな意味で心底ゾッとしました。 ちなみにプロジェクトへの称賛を込めてアンソロそのものを挙げましたが、引用した作品はコミック版の表紙の気迫もカバー下の演出も本気でヤバイんでぜひご覧あれ。


…とまぁ今年はこんな感じでしょうか。 でも本当はもっといっぱいありますよ!!どうせ誰かが挙げるだろうと思って『僕のヒーローアカデミア』とかジャンプ漫画をぜんぶ自重するくらい選び抜いてこの3つです!! あ、ちなみに今年一番激渋かっこいい&薄蛯ヘコロコロコミックの『ウソツキ!ゴクオーくん』なんでそこんとこよろしくお願いします。 私からは以上です。




COMIC CUE VOL.2

毎号テーマに沿った様々な漫画を読める素敵な雑誌、コミック・キュー。その第2号はカバーバージョン特集でした。 その中の1作品、泉昌之の「おそ松くん」は、これこそ「おそ松さん」と思えるような物語でした。 得意のメシ食う話は六つ子を主役に据え、ラーメン屋という舞台で展開されています。 他にも松本大洋の「ドラえもん」に朝倉世界一の「天才バカボン」など、強烈な個性が炸裂した一冊が私の今年の一位です。


豪ちゃんマガジン

勘のいい方は表紙を見た途端に「おっ、これは乳首出現率が高い本だぞ」と気付かれたのではないでしょうか。 しかし、最も私の心に残ったものはお色気ナシの「金五郎とマリリンな日々」と言う、金魚と過ごすエッセイ漫画です。 永井豪夫妻が金魚と出会い、飼い、別れるまでの一ヶ月程の時間。 そこに溢れる奥さんの喜怒哀楽の感情がとても愛らしく、ストーリー漫画とは違った良さが出ています。 他の収録作品はギャグ、SF、ホラーと永井豪らしさが詰まっていて、ファンに嬉しい、そして入門用としても読み易くオススメです。 巻末の「永井豪40年のキセキ」も良いです。




今年は実は漫画よりもアニメに注視した一年で、まず前半には去年から続いて「SHIROBAKO」がアニメ製作を描いた作品としてだけでなく、仕事を描いた作品の中でも最優秀ともいうべきバランス感覚とエンターテイメント性で楽しませてくれました。 私事ではありますが、今年始めに母が倒れて大きな手術を受けた際には「SHIROBAKO」に登場する同じような境遇になりながらも最高の仕事を見せてくれた矢野えりかというキャラクターには大いに励まされ学ばされるところが多かったように感じます。 多くのアメコミ脚本を手掛けるグラント・モリソンはその自作で「コミックは生きている」「コミックが現実に影響力を持つ以上コミックも間違いなく現実であり、我々はコミックに登場するキャラクターに恥じぬ生き方をしなければならない」といった旨を言っていた(ような気がする)のですがまさにそれを肌で感じたような不思議でかつ力強い感覚でした。

またまだこれを書いている最中では終わっていませんがアニメ「コンクリート・レボルティオ」はここ十年でも一番自分にしっくりときた作品となりました。 昭和の漫画アニメ特撮といった作品のキャラたちをリ・イマジ(再創造)した上で一堂に介させた上で同じ歴史の上に並び立てるというコンセプトこそが古本を生業としている私にとってはたまらなく魅力的なものでした。 個人的には「仮面ライダーディケイド」にて平成ライダーのリ・イマジに取り組み志半ばで抜けることになってしまった會川昇が昭和という時代そのものをリ・イマジしようとしている心意気がファンとして嬉しいところです。 昭和の娯楽文化への限りないリスペクトとその昇華は、今後の作品の在り方にも影響を与える大傑作といえるでしょう。

ということで漫画では

1位 秋田書店 山口貴由「衛府の七忍」

アンチ「覚悟のススメ」を掲げて今まで掲げてきた世界観を冒涜し破壊しつくした作品「エグゾスカル零」 それは問題作ではありましたが、取っ付き辛さも否めない非常に作家性の強い作品でした。 その作品から一転、「衛府の七忍」では今までの明るく馬鹿らしく、そして大真面目な山口作品が戻ってきました。


1ページぶち抜きでこの啖呵。これぞ山口節。


それが転進と見るか、それとも吹っ切れた上での進展と見るかは評価が分かれるところですがそんなことは抜きにしても娯楽としての完成度の高さはさすがです。 雑誌「戦国武将列伝」にてフルカラーで連載されていた「魔剣豪画劇」に登場したキャラクターが登場する(桃太郎が極悪エロ外道として描けるのは山口先生だけ!)のもワクワクしますが、それ以上にも今まで山口作品のキャラが戦国時代から江戸時代に移ったばかりの時代劇で最も美味しい時代を舞台に駆け抜けるのも嬉しいところ。


TYPE-MOONのFate世界では金太郎がチンピラゴールデンな姿で登場してましたが、山口世界の桃太郎はスタンダードな姿に鬼畜な精神を携えて登場でございます。
「サイバー桃太郎」といい山口先生は桃太郎がお気に入りの様子。



ファンの中には「シグルイ」の虎眼先生の若き頃が登場するのでは?早くも期待されており展開に期待が高まっております。 「シグルイ」で見せた残酷描写も怨身忍者という漫画的残虐ギミックを得て更に磨きをかけており、ただでさえ血とおっぱいに溢れた「チャンピオンRED」を纐纈色に彩っています。

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2位 野田サトル「ゴールデンカムイ」

週刊連載作品の中でも一番楽しみにしている作品といえば、やはりこの「ゴールデンカムイ」でしょう。 2015年は人気作品が多く連載されたヤングジャンプにとっても黄金期に近い年度でしたが中でも「ゴールデンカムイ」はその独特な現実感とシビアさ、一転した肩の力を抜いて見れる北海道トリビアとジビエグルメとそのない交ぜとなった世界観がぶっちぎりで印象に残る作品でした。


新手の戦術鬼ではありません、これがヒロインのアシリパさんです…


熱いシリアスバトルも北の最強部隊第七師団に、新撰組の隊長達(手塚治虫の名作「シュマリ」を髣髴とさせる!)と一癖二癖もあり過ぎな猛者達が勢ぞろいして群像劇の態を成しています。

勃起連呼でヤンジャン紙面の民度を下げまくった強烈キャラ
「二瓶鉄造」他、ヤバイおっさん勢ぞろいです


色々な要素が絡み合った作品ですが、一貫して描かれているのは「如何に生きるか」というテーマであり、そこに関してどのキャラクターも真剣に向き合っているのが本当に美しい作品となっています。

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3位「アンゴルモア?元寇合戦記?」

元寇の猛攻を受けた対馬を舞台に奮戦を広げる戦記漫画です。 この作品が他の戦記ものと一線を画しているのは瀬戸際物とも言えるギリギリの緊張感。 戦記ものでは、三国志や戦国物でもそうですが、序盤では弱い勢力が如何に生き延びていくかの「至弱」の戦が描かれていますが、 巻数を重ねるごとにつれ大勢力が如何に戦いを終わらせるかという「至強」の戦になっていき、序盤のチリチリとした緊張感やカタルシスは失われていくことがほとんどですが、 「アンゴルモア」では元寇という戦一本に重点を絞り、四方八方を敵に囲まれた篭城戦にも近い状況で、ピンチを越したらまたピンチ、増援は数日後という絶望的な戦いをじっくりと描いています。


鎌倉時代を始めとした時代が漫画で描かれることは意外とありませんでしたが、この作品ではその時代の戦術やテクノロジーを絡めて描いており、非常に読ませます。 WEBでの数ページながら週刊連載で更新されており、兎角漫画では犬猿されがちな日本の鎧も描こうというチャレンジブルな面も見逃せません。 時々絵が荒れることがありながらも、主人公朽井迅三郎の大胆不敵な戦術と戦いぶりが真正面から描かれており、結果がわかっている戦記物ながら目が離せない一作となっています。

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新田たつお「静かなるドン」

結構前にまんだらけのレディース(少女コミック)担当Kさんにオススメされておきながら 108巻か・・完結したはいいけど長いなぁと躊躇して手を出せずにいました。 ただ文庫版が小学館から出始めたのでなんとなく買ってみたらもうこれが今では私毎月15日の2冊同時発売を日本一首を長くして待ってんじゃなかろうか 2冊買うと1700円も払うんですが先月はなんと前倒しで13日発売ちょっと早めに本屋に行って良かった嬉しー!と小躍りするまでに成長してしまいました。


静かなるドンはまんだらけでももちろん買えますし色んな中古書店でお安く売ってますので何でわざわざ新刊でしかも毎月15日を待って買うのかそれは新田たつお先生に直接課金したいという一心からであります。 文庫版は以前掲載誌の漫画サンデー(実業之日本社)から第1期刊行として16巻まで発売されたのですが以降の発売がなくそれなのにまた新たに小学館から再発しているのですがオドロキなのが未だに実業之日本社版文庫は購入可能というところです。 よっぽど小学館の担当の方が静ドン好きで且つ権力のあr(この辺でやめておきます

1万人からの組員を持つ関東最大の極道組織「新鮮組」その3代目総長が近藤静也でこの漫画の主人公です。 昼間は「プリティ」という女性の下着メーカーのデザイナーで性格は優しくおおらか、極道は嫌い、嫌いどころか本心では壊滅を望んでいる、 だがその極道としての素質と器量、才能は比類が無い、犯罪者の家系である筋金入りの自分と平和を愛する堅気の自分との間で苦しみながらも次から次へとやってくるトラブルに一つずつ向かって行きます。

父親の2代目近藤勇足が敵対する西の最大勢力鬼州組系長州会に暗殺されるところから話は始まるのですが物語の筋が極道ラインとプリティラインどちらもほぼ同じくらいに大事に同時進行しているところがおかしいし読みどころなのです。

※新鮮組最古参の化石組出身で静也を小さい頃から部屋住みで面倒見てきた猪首硬四郎

特筆すべきは愛すべき個性的なキャラクターたち。 私のフェイバリットキャラは完全に猪首(静也の絶対的な味方)なのですがある日LINEのスタンプに静ドンがあるのを発見して買う!と思ったらなんと猪首が無くて生倉でさえあるのにありえない!と激怒したものでした・・ 実は賢い乳栗や常にカッコ良い静也の母、妙や静也の腹違いの妹の静子(最高!)新鮮組幹部の鳴門や龍宝、アレキサンダー編のアニー等。 星撫子と斉藤さんの話も絶対に外せませんし上げればキリがありません。


小学館文庫版では現在世界皇帝編に入っておりいよいよ佳境ですがざっくりですが流れとしては下記のようになっております。 初期にはヤクザサミットなんてものもあったりして一つの山場でした。

○静也、極道とプリティの両立編(秋野との出会い)
○鬼州組と色々ある編(伏線がいっぱいできる)
○アレキサンダー編(プルトニウムとか出てくる。CIAとかロシアンマフィアとか。大変)
○白藤龍馬登場(鬼州組7代目)
○世界皇帝編(リチャード・ドレイク5世)
とにかく「何か面白い漫画ないかな?」とお探しの方がいたら「あのーヤクザとか大丈夫ですか?多少なら下ネタ大丈夫ですか?」と聞いてクリアだった場合いの1番にオススメしたい漫画です。

年末年始に一気読みどうでしょうか??? これほど次の展開が気になってアドレナリンが上がる作品はなかなかありません!!!

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わたくし人の身体がのびのびと描かれている漫画が好きです。古くは谷川史子の描線に魅了されたりしてきました。 端的に言って、漫画とは線です。描線の集合体がそのまま画面を作っています。 漫画を読む時には、輪郭線や斜線、コマ枠線に吹き出しのアウトラインがどうなっているかを観察しながら、作者や作品の「人となり」や込められた意図、そして自分との相性などを探っていくのです。


1.マドンナはガラスケースの中@(2015/スガワラエスコ)

爬虫類専門店勤務の爬虫類マニア(32)が女子小学生(12)に懸想する漫画です。 と言うとミもフタもないんですが、しかし、ヒロインが小学生なのに信じられますかこの妖艶さ。
物語も笑いありシリアスありで進んでゆきますが、この先どうなるんだろう…?


2.ポム・プリゾニエール(2014/鶴田謙二)

女子が素っ裸で、だらだら廃墟を闊歩する漫画。猫分マシマシで。 もう、この人の作画についてはコメントは無用ですね。各コマ各コマゆっくり読み解きながら摂取するにふさわしい密度とセンスです。 なによりちゃんと下の毛が描かれているのが素晴らしい。

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3.タイニーマイティボーイ(2014/大石まさる)

最近の大石まさるはおかしい。大化けしたぞ…?と勝手に思っております。 今まで私がこの作家に抱いていた印象は…「情感は良いんだけど、なんとなく線が粗くて読みづらいし、ストーリーも左程ぐっとこないぞ」というものでした。 しかし近作を読んで… 「あれ?描線が整理されている。ふんだんに使われてる斜線にも入りと抜きがつけられて、なんだか見やすくなっているなー。 キャラクターも外連味と人間味に溢れ、はっちゃけている感じ。ストーリーもおちゃらけていてその実ダークでディープだぞ。 この『タイニーマイティボーイ』、表面上はジゴロなショタが毎回毎回異なる人外レディをひっかけるお話なんだけども(地底帝国の王女が好み)、 その実、悲しみと閉塞感、遠い所を望むような心持ちが見え隠れする、仏教的輪廻転生をテーマにした作品だコレ。 読後感は壊れたおもちゃをばらまいたような感じで、楽しい。


4.ライプニッツ(2014/大石まさる)

もう一冊もすばらしかったなー。上で紹介した『タイニー?』の方はデフォルメ強めの寓話調だったけど、こっちはハードSF風味だな。 ヒロインのアクの強さと健康な肉体美が素晴らしい。そして猫分マシマシで。ハヤカワとか創元SFの、ちょっとした古典を読んでるような気分になっちゃったよ。 作者自身の感情を押し付けられる事なく、でも端々からは伝わってくる「悲しみ」とそれを踏まえた「希望」。 ハブとなるSF的な地球外生命体がいい感じにのんびりしているなー。 なんか個性と一般性のバランスが、いままでより高いレベルで調和している感。 個性自体も深化している感。好きだなー」とかく好印象を持ったのです。

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5.いないときにくる列車(2015/粟岳高弘)

駒草出版が最近漫画を出し始めたんです。なんでかはちょっと解らないんですが、チョイスもオツなんですね。 例えばこの作品。商業作品「たぶん惑星」や同人誌等でも展開されているほぼ同舞台での少女ミーツSFなシリーズなんですが、これがもうフェチが爆発しています。というかフェチ分しか存在してないです。

列挙しましょう「ふんどし少女」「宙に浮く斥力構体」「野外露出」「謎の異星人」「昭和64年」「恒星間ゲート」「半裸の少女にスタンプ」「ヘンカワな異星マスコット」…。 等々のガジェットをへにょへにょの描線と、カエル顔の人物デザインで繋ぎあわせれば粟岳高弘です。

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6.パラダイスバード(2012/佐藤明機)

最近佐藤明機という作家さんを知ったんですが、このかた’80後半から主に同人誌等で活動されていたようで、最近駒草出版より過去作の新装版『ビブリオテーク・リヴ/楽園通信社奇譚』や『リプライズ』が発行されています。 それに伴って今のところの最新単行本であるこの『パラダイスバード』も読んだんですが、改装前の中野ブロードウェーをモデルにした商店街を舞台に、古本屋を継いだ主人公が「表」と「裏」それぞれの商店街を行き来しつつ秘められた秘密を探っていく設定です。

植芝理一的なごっちゃりカオスな世界観が特徴的で、本棚の洞窟を抜けた先にある裏商店街には謎銭湯や付喪神、恒星間ゲートまで存在します。

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7.坊主と蜘蛛(2015/ハジ)

BL枠で考えるとこの作品がトップでした。ただ惚れたはれたのひっついて離れてだけのBLには興味がありません。 ちゃんと中身のある作品があったら私の所へ来なさい的な気分で過ごしているのですが、『坊主と蜘蛛』は、その期待に十二分に答えてくれました。 まず、蜘蛛の化け物や妖狐など登場人物が人外ばっかりで至福。普通の人間に見える主人公ですら実は人外。 長い時を生きる主役2人が少しずつ情を育んで、お互いを受け入れていく描写がわずか一冊の中に詰め込まれています。 蜘蛛人外らしい糸を使ったプレイもふんだんに盛り込まれており、幸せです。

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8.こんなこと(2015/三巷文)

男性向け成年コミックからではこちらがベスト。成年コミックにおいてもただ惚れたはれたのひっついて離れてだけの?(以下略) なんですが、この作品きちんと中身があります。 和風ファンタジーな世界観や良し。ヒロインはかわいいし、主人公もかわいい。成年コミックでは男性が、「名探偵コナンの犯人役の黒塗り」のようにしか表現されないことが多いのですが、それだと物足りないんです。 ヒロインの痴態だけが見たい訳じゃなくって、関係性そのものや、それによって生まれるエロスを求めているんです…!

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・今年は『小説家になろう』をよく読みました。異世界トリップ、いいですよね。その中で心に残ったものを。大体商業単行本化されています。


9.異世界料理道(EDA)

異世界トリップといっても、ありがちな中世ヨーロッパ風世界ではなく、森林とそこに暮らすやや原始的な部族たちとの共存を図る、半人前料理人の奮闘記です。 この主人公が持ち得る力は日本で得てきた数々のレシピと発想力のみ。それらを駆使して人の生活に喜びと豊かさをもたらさんと頑張る様が気持ちいい。 ヒロインのツンデレ造形も成功しており、かわいい。

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10.サモナーさんが行く(ロッド)

読むゲーム。読むVRMMO。マイナージョブ「サモナー」道を爆進する主人公。召喚モンスター達を操る…だけでなく、暴れまわるサモナーさん。 そんな彼らが広大なゲーム世界の攻略者として、ひとコマひとコマ切り開いていくストーリー。ひとつひとつ積みあがっていく各種ステータス(攻撃・防御・魔法etc…)あまりにも膨大な話数。単行本にすれば両腕に抱えてもあまりそうな程。 そして何よりも、これは異世界トリップではない。あくまでベースとなる現実が存在するはず…なんですが、主人公らキャラクターのゲーム意外の生活が一切明かされないところが気になります。いわば現実パートの一切無いキャラ同士の交流もやや希薄なソードアートオンラインというか。輝かしいゲーム世界と現実との落差がものすごそう。


11.盾の勇者の成り上がり(アネコユサギ)

異世界トリップ勇者ものだけれども、盾の勇者である主人公の不遇っぷりが物凄い。同時に召喚された剣や槍や弓の勇者と現地の王族に嵌められ欺かれ、すっかり性格が変わってしまいます。そこからの巻き返しと宇宙規模な超展開に、こちらの心まで持ってかれちゃいます。

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12.ありふれた職業で世界最強(白米良)

こちらのも主人公の物凄い不遇と逆境。クラスまるごと異世界トリップした上で同級生に裏切られ奈落の底へ転げ落ち、そこから泥水をすすり異形の生物を喰らい自ら化け物となりながらも這い上がるお話。ダークでハードな描写がグッド。

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13.テグスの迷宮探訪録(中文字)

大小の迷宮からなる無法世界で、孤児テグスがハーレムを形作りながらダンジョン攻略していく…というストーリー。多種多様な迷宮内の環境と、キャラクターの躍動が目に楽しい。普通にざくざく人死にありますし殺します。倫理もへったくれもない世界で、殺伐と優しさが入り交じるのが特徴的です。

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14.金色の文字使い(十本スイ)

誰にもおもねる事のないまさに俺tueeeチート系主人公が無双するお話。空中に書いた文字の効果を具現化するという露伴先生的な能力で美女幼女をたらしこめ! 少年漫画的アツさに満ちたバトルロマン。

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メディアファクトリー B6 渡邉ポポ 「ふらら一人でできませんっ」 1巻

タイトルとジャケット買いで選んでみたら、内容で二度おいしかったタイトル。 コミュ障にも程があるだろという主人公と世話焼きの幼馴染のやりとりが楽しい。 読み切り版も収録されており、言葉を発するふららが逆に新鮮。 絵柄も変わっていて、個人的には連載版の方が好み。


「ふらら仮病もできませんっ」、「ふらら食欲に勝てませんっ」の話がお気に入り。
誰しも経験したことがあろう学校を休んだ時の解放感とうしろめたさ。
混雑しているバイキングに参加出来ずに友達が持ってきた皿から取るスタイルが斬新。 食べる時のモシュモシュって効果音がベストマッチ。

渡邉ポポ 「ふらら一人でできませんっ」の通販はこちらから。



講談社 B6 秀河憲伸 今日のユイコさん 5巻

ついに完結。欲を言えば、もっと二人のやりとりを見ていたかった。 クラスが分かれての気持ちのすれ違いや読者が気になって仕方のなかった過去編などを収録しており、内容は盛り沢山。 これからの二人もきっと大丈夫と思える最終回で一安心。 ツンデレとはまた違ったヒロインが、1巻から比べるといろんな経験を経て、成長してより魅力的になっている。 大きなドラマはないけど、着実に仲を深めていく経緯が丁寧に描かれてるタイトル。
次回作が待ちきれないという人には、四季賞に掲載された「ONE HAND SHOOT」もおすすめ。 正統派ツンデレヒロインを楽しめるはず。

秀河憲伸 「今日のユイコさん」の通販はこちらから。


少年画報社 コンビニ本 アンソロジー 僕らのファミコン日記

[僕らのファミコン日記_表紙.jpg]
コンビニ本用に描き下ろされたコミック。 題材が往年のファミコン作品のため、ピンポイントな世代に対してのアピール度は絶大。 「スーパーマリオブラザーズ」、「ゼルダの伝説」で桑佳あさが2作品収録されていることも見逃せない点。


個人的に好きで買っていた料理特集のコンビニ本で見かけた桑佳あさの絵柄に惹かれ、不定期ながら掲載される作品を心待ちにするようになった。 ほんわりした感じの女性キャラを描かせたときの破壊力はなかなかのもの。 収録ゲーム中では「魔界村」が一番思い入れのあるタイトル。 当時はレッドアリーマーの攻略法が分からず、運に頼ってばかり。 アーケードより難しいファミコン版を小学生が2週するのは至難の業。 友達の家で裏技の面セレクトを使ったことを思い出した。

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私が2015年に読んだ本の中から皆様にオススメするベスト3は

まず一つ目は小野寺浩二先生の
「ソレミテ それでも霊が見てみたい」です。

幽霊を見てみたい漫画家小野寺先生&「それでも町は廻っている」の作者:石黒正和先生の2人と編集者が毎回色々な心霊スポットを周り実際に幽霊を見たら連載終了というスタンスで始まった漫画です。


最初は関東圏内の心霊スポット周りが中心ですが、後半になるに連れて他県の有名な心霊スポット(東尋坊、樹海etc)など色々な所での実際の体験が読むことが出来ます。 この漫画の見所としては今までは作者の内面や性格があとがきでしか感じられなかった部分が一コマ一コマから伝わってくる点です。 さらにゲストとして「アオバ自転車店」シリーズの宮尾岳先生や、「惑星のさみだれ」の水上悟志先生などヤングキングアワーズの連載作家が何度も出演。見ていて飽きません。


宮尾岳先生

水上悟志先生


全3巻で完結しているこの作品。幽霊を見て終わったのかは、あなたの目で確認してください。

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二つ目は
北河トウタ先生の「DEAD Tube」です。

原作は「死神様に最期のお願いを」などで知られる漫画家の山口ミコト先生。 内容としては映研のカメラマンの主人公:町谷が水泳部の真城に「私のことを撮ってもらいたい」という依頼を受ける所から始まります。ただし、条件が2つあり
・二日間撮影すること
・何が起きても撮影をやめないこと
なので彼女の家について行って風呂や寝ている姿も撮影をするという男としては何とも嬉しい状況に。



2日目は彼女とその彼氏のデートを撮影する羽目になるのですが、そこで突然に
彼氏をフルボッコする彼女を「何が起きても撮影をやめない」という条件のもと撮り続ける主人公。 自分としては北河先生作品はマニアックな路線のエロが多いので好きだったのでまさかのこの鬼畜っぷりに度肝を抜かれました。 DEAD Tubu自体の詳しい説明は2巻で明かされるのでここで詳しくは言えませんが、主人公が疑心暗鬼のゲームに巻き込まれていく様は圧巻です。

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三つ目は
天野こずえ先生の「ARIA」です。

と言っても自分の今回のおススメはこちら
TVアニメ10周年記念として映画公開された「ARIA The AVVENIRE」のパンフレットです。 ARIAファンとしてはこんなに年月経ってから続編が見られるとは思いもしませんでした。 全3話のOVAを映画館で上映されたもので今度発売されるBD BOXに収録されるそうですが、自分がこのパンフレットをおススメしたのは天野先生描き下ろしの漫画が載っているからなんです。



内容はアリシアさん目線でのARIA創設から引退するまでの話で、OVAの3話目を天野先生がコミカライズしたものです。是非とも読んでほしいので深く語りません。 ARIAの感動をまた味わって下さい。

天野こずえ「ARIA」の通販はこちらから。








今年は圧倒的に気にいった漫画が少なかった反面、過去のも含め、単純に楽しめた作品は多い一年でした。その中で皆にお勧めしたい漫画ベスト3です。ラノベ担当なので、ラノベも紹介しますね。

コミック

1位 小学館 山本さほ 岡崎に捧ぐ

twitterでひまつぶしまんがを描いていて、ずっと読んでいたんですが、今回待望の単行本化して非常に嬉しかったです。岡崎に捧ぐは、幼馴染みとのやり取りを描いたエッセイ漫画なんですが、誰もが思い起こす懐かしさを感じる漫画です。氏がゲーム好きという事もあってか、遊んで仲良くなっていく様がゲーム中心と言う所もお気に入りのポイント。まあ、自分の子供時代と同じなんですけどね! 今の時代ともちょっと違う当時の流行った遊びが満載で、きっと3、40代は当時の友達の記憶を呼び覚ますでしょう。あー、ファミコンしたい!

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2位 講談社 佐久間結衣 コンプレックスエイジ

読み切りで話題になっていたので、それ以来連載後も読んでいたんですが、心打つ作品でした。特に自分は、環境的に周りに同じような環境や考えを持ってる人が多かったので、心に来ましたね。うちのコスプレ店員にも勧めたんですが、やはり思う所はあったみたい。 自分が特に嵌ったポイントは子供が出来て夢(趣味)を諦めた両親との関係性でしたが、まあ、ありますよ、諦める所と頑張る事のバランス。諦めた事がない人なんていないですから。 「好きは呪いだ。苦しくて、とても、心地よい」最期の方に出てくるこの言葉、重いです。気軽に読むにはお勧めしませんが、自分には共感できる部分も多い良作品でした。

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3位 講談社 清水茜 はたらく細胞

ありそうでなかった細胞の擬人化漫画。バイ菌などをモンスターして描いている人体の中のバトルものなんですが、これが熱い!単純にヒーローものとしての完成度も高いので単純に楽しんで読めました。何気に病気の原因となる病原菌や体の中でどういう事になっているのか分かるので、知識欲的な面でも楽しめます。展開的に、大きな病気と闘う事になると思いますが、エンターテイメント性の高いこの漫画がどう持っていくのか非常に楽しみ。

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ラノベ

1位 富士見ファンタジア文庫 丸戸史明 冴えない彼女の育てかた

最初は、主人公ハーレム状態でモテモテのラノベの王道のこの作品、正直ラノベ担当としては食傷気味でした。では、何故これを読んだかと言うと、PCゲーム、ホワイトアルバム2やパルフェのシナリオ担当の作家だと知ったからで、間違いないなと読み始めたら・・・!。挿し絵の効果もありますが、ヒロイン達の可愛さが尋常じゃなかった!トラウマや秘めた想いなどの要素もうまく詰まってて文句なしです。 基本、ゲーム視点で展開されているので、正直小説としては成り立ってない部分もありますが、ありふれた設定でも何でも突き詰めれば良いものだ、と再認識させてくれた作品でした。

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2位 ハヤカワ文庫JA 伊藤計劃 虐殺器官

今年出版された訳ではないのですが、映像化予定という事で読んでみると、これは引き込まれました。正直ライトノベルの域ではないのですが、良く言われるゼロ年代SFの中でも文章力の高さは随一に感じました。映像が浮かんでくるような表現力や言葉の引用もうまく盛り込まれていましたし、虐殺器官に関しても、一から十まで説明されては拍子抜けですが、自分はこれくらいの方が好み。 世界観はしっかり、ちょっとグロテスクな部分があるので、そこが苦手じゃないならお勧めです。それにしてもデビュー作でこの完成度だった事を考えると、本当に著者の早逝が惜しまれます。

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3位 ファミ通文庫 石川博品 後宮楽園球場 ハレムリーグ・ベースボール

ラノベらしく、美少女中心にハーレム的な話かと思いきや、読んでみるとガチなスポ根でした!元々文章表現がうまい石川氏ですが、きっと野球が好きなんでしょう。 試合展開の熱さに加え、代打の切り札やベテランの精神的支柱など、野球ものとしての完成度の高さはこのポイントだけでも読ませられます。細かいルールは省略しますが、セット制にしたのもうまいな?と思いました。勿論、美少女好きにもお勧めですよ?、色々なタイプが魅力的に書かれています。主人公は女装してる男ですけどね!

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角川書店 春河もえ 東方鈴奈庵-Forbidden Scrollery-

数ある東方Projectのコミカライズの中でも最新のシリーズ『東方鈴奈庵』です。
現実世界とは別のところにあり、妖怪たちが幅をきかせる幻想郷という世界が舞台。そこで貸本屋を営む小鈴ちゃんが主人公です。阿求さんはお友達。 最近普通の人間には読めない文字を判読する「力」に最近目覚め、稀覯本などのコレクターを自称しています。子鈴ちゃんの二つ名は「判読眼のビブロフィリア」、阿求さんは「一度見た物を忘れない程度の能力」があります。サヴァンですね。
原作ゲームではもの足りないキャラクターの個性や交友関係を補完できることも魅力の一つです。Windows版から数えても10年以上の歴史がありますが、メインのストーリーに入ってこなくてもチラッと背景とかに登場させてくれるのはファンとして大きな喜びでした。でもぬえっちょ!出番ちょっとしかないじゃん! 危険なものを取り扱うのに「なんとかなる」と危機感のない子鈴ちゃん。オチは昔ながらのいかにもチャンチャン♪とSEのつきそうな感じで、かつなかなか痛い目をみないのだからたいしたものです。 和風伝奇とか、妖怪とか好きな方はスラっと楽しめるはず!

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うえやまとち「クッキングパパ」133巻

表紙からしておかしい一冊。
まことと、みつぐの彼女の「エっちゃん」の2ショット。
まことの彼女は「さなえちゃん」だったはずだ。なぜエっちゃんと?
実は3人で海に行くところをみつぐが風邪でドタキャン、急遽まこととエっちゃん、2人で海に行くことになったのだ。
実はまことに片思いをしていたエっちゃん、内心ドキドキだけどまことはそんなことは露知らず。
海ではエっちゃんに群がるナンパ男に「俺のツレなんで」と一喝。エっちゃんの肩に手を置いて男共を追い払うまこと。ほんっとーに罪なやつです。エっちゃんは内心ドキドキなのに天真爛漫に海を満喫するまこと。
もうこの人達、健康な大学生なんですよ?

おかしいでしょ、

小学館フラワーコミックスならもうまこと絶対浮気してるよ?次週からはさなえちゃんとみつぐ含めたドロドロ4角関係編が始まっちゃうよ!?
結局エっちゃんはまことに思いを伝えられずにまことの背中にハートマークの日焼け跡をこっそり残しただけでこの話は終わりなのです。
でもその日焼けにさなえちゃんが気付くはずもなく(清い関係なので←なんで清いの!)何事もなくこの先進むと思うともやもやします。
そんな133巻、オススメです。

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アインシュタイン1904 原作大井昌和/作画出店宇生 白泉社

実在の日本人スパイ明石元二郎と若き自称天才科学者アルベルト・アインシュタインがバディとなって活躍するオカルトミステリーアクション活劇。
帝政ロシア兵ゾンビ、ドラキュラ、魔女など常識外の理解できない謎を斬新だと追いかけ、科学の理論で魔法に対抗、「神はサイコロを振らない」の名台詞や魔法の理を否定せず理解した上でE=mc?を乗せての大魔法など、荒唐無稽で熱い展開が目白押し。
あいにくと打ち切りで2巻は駆け足でしたがそれでも超有名スパイや超有名ミステリー作家、若き総統、ロシアの怪僧、幼き英国王女など、魅力的なキャラクターが登場し話を盛り上げ、線の太い絵柄が話の展開とマッチして非常に熱い活劇を楽しませてもらいました。
続きが是非読みたいところですがおそらく叶わないので、この原作者作画コンビでの新たな活劇を期待します。


あとかたの街 おざわゆき 講談社

戦中の名古屋の普通の一家のまだ戦争を身近に感じない日常を主人公少女の視点で丹念に描く処から始まり、学徒動員で学校に行かず工場勤務になり、敵機を見かけるようになり、戦況の変化を間接的に丁寧に見せてくれます。
そして、M7.9の大地震とそれに続く米軍の大空襲でかろうじて続いていた日常を完全に奪い去る…
既に他界している自分の祖父母は赤ん坊の母を抱えて名古屋大空襲から逃げたそうです。
直接話を聞いたことはなく、母から何かのついでで聞いただけで、実際どういった状況だったのかは知らず、大地震があったのも噂程度にしか知りませんでしたが、この作品はそういった知らなかった部分を日常の現実の延長として見せてくれました。
作者の母親の体験をもとにしているため取材者に近く、同じく父親のシベリア抑留体験をもとにした「凍りの掌」と同じく良い悪いではなく事象として描かれているところが多く説得力があり、漫画の物事を伝える力を見せ付けてくれます。


トクサツガガガ 丹羽庭 小学館

特撮はあまり興味がない人でも、他人に理解されにくいと感じる趣味を持っている人には非常に共感できる作品です。
作中ブロードウェイが出てきますが、特撮好きには秋葉原以上の場所として描かれていて中にいると中々自覚できない外からの認識が新鮮でした。



新刊でたら3度は読み直す本たち(完結含む)

恋は雨上がりのように

亜人ちゃんは語りたい

狼の口

ぐらんぶる








2015年に読んだ漫画の中で一番といったらやはり

藤田和日郎さんの月光条例ですね。

漫画雑誌を買い始めたのが、1989年に週刊少年サンデーをらんま1/2が読みたくて購入していました。 その翌年からうしおととらの連載が開始されたわけですが雑誌を買うと全部読むスタイルではなく自分は興味を持っている作品のみを読むという形でしたので昨年まで藤田先生の作品に触れてきていませんでした。
きっかけとしたら月光条例の連載が終了した2014年に上演された、舞台月光条例月光編を観た事によります。

出演者に興味があり観に行ったのですが、舞台の内容に引き込まれ約2週間の公演期間で1回目の観劇から1週間後(次の定休)の観劇までには漫画を揃え、作品を読んで観劇に望み結果計4回の公演を観てしまうくらいのめり込んでいました。 原作は全29巻なんですが、舞台は月光編、カグヤ編(2015年9月上演)の2編で計約5時間ちょっとの作品にまとめられています。 作品の性質上、おとぎ話のキャラクター達が月光条例の登場人物なので、当然舞台に出てくる登場人物も多く、また59名と出演者も多く、衣装、小道具が大量に必要な作品となります。 そこでクラウドファウンディングを募り出資されたお金で衣装、小道具、照明の演出を良くしたいという事で月光編(前編)を観ていて、カグヤ編(後編)へも期待感があったので月光編同様、カグヤ編も月光編と同様にクラウドファウンディングの出資をしました。

カグヤ編の制作(稽古)は7月中旬から始まりました。 クラウドファウンディングのリターンで稽古場見学出来るという事から本番までの毎週自分の休みにはかかさず見学し、作品が出来ていく過程を堪能しました。 カグヤ編(後編)は漫画にあたる大体7.8.20.29巻を舞台化するので稽古場に通った時期から本番中の約2ヶ月間はひたすら月光条例の漫画を繰り返し読みました。

稽古なので衣装ではなく稽古着で、セリフと動きのみでBGM、SEなどはありませんでしたが読んだ漫画からの脳内変換的に感じ、またタイミングで見学できなかったシーンに関してはどのように舞台化されるかを想像しながら漫画を繰り返し読み直しました。


元々藤田先生の作品に情報量が多く、読みごたえのある作品なんですがそれを各シーンの再現度もすごくそれを約5時間ちょっとにまとめてしまう作・演出・主演の吉久さんの凄さもあります。

全公演終了後クラウドファウンディングのリターンで打ち上げにも参加しました。 そこには藤田先生もこられていて藤田先生は稽古などは見ていなく、本番のみを観た訳ですが総勢60名いる出演者へ一人一人に観た感想と、このシーンのこの役には藤田先生が連載時に思っていた考えがあり描いていてその役を演じた役者がそのシーン(漫画から読み取り)をその人なりに解釈し演じていた訳ですが、 それ(藤田先生が書いている時に思っていた事)がどの役者も藤田先生の考えが伝わっており、サクシャ様とその役を演じた役者との熱い、濃い会話を間近で聞ける事が でき大変有意義な時間を過ごしました。(話の中でその役を演じた役者へ藤田先生がその役のイラストを描いていくわけですが、一人一人違うキャラクターをさらさらと描いていく光景はすごい物でした。) その会話を聞いていると藤田先生の観察力の凄さや、役者が何を考えて、その役と向き合ったかの話などの話を役者との会話でパワァを吸収している感じが印象的でした。

その公演の直前の頃に漫勉もあり、藤田先生の作品へひとつひとつへの情熱の凄さを感じました。 作品にパワァがありその影響で打ち上げに参加するほどのめり込むほどまで自分に影響をもたらした(月打された)作品でした。

藤田和日郎「月光条例」の通販はこちらから。






「夕空のクライフイズム」 手原和憲

とある高校サッカーの強豪校が監督交代を機に超攻撃的なサッカーを目指す物語です。 タイトルはかつてあったヨーロッパのサッカーチームで信じられない攻撃サッカーをみせたチームの監督名からとられています。 通例を無視したみたいに見えるほどクレージーなまでに攻めることしか考えない選手、監督たちは、優しい絵柄なので静かにぶっとんでます。 主人公は途中出場が多い準レギュラー。ベンチから攻めに徹し切れない仲間へ、ユーモア交えた、ちょっと荒っぽいエールを送るシーンにはウルッとしました。


「俺物語!!」作・河原和音/画・アルコ

実写映画が良かったので、観賞後に今更ながら読みました。その真っ直ぐな純粋さと陰ひなたがない登場人物たちのセリフと行動に、勇気づけられました。駆け引きや打算がまったくないといっていいほどで、恋人同士の隠し事とかしないし。 初恋を成就させるべく果敢に挑戦した人間の強さに、本来ならいじけて、ケチをつけるような冷笑を浴びせかけたくなるのが普段の私ですが、その優しさの徹底さとポジティブな姿勢に、心のなかでひれ伏し、ザンゲしました。2015年の漫画原作の実写化ものではバクマンやヒロイン失格も良かったですが、俺物語推しです。 ヒロインの娘もカメラに向かってニコニコしてくれて、両思いのあたたかい気持ちを錯覚しました。


「バトルスタディーズ」なきぼくろ

元PL学園野球部員が描くリアルな高校野球漫画です。 セリフも絵もリアルです。特に絵がフルスイングしたあとの打者や打球を見つめる野手のポーズが動きがある感じで、スタンドで観戦してるようです。 それにしても、PL学園でレギュラーで甲子園行って、さらに漫画家にって、高橋しん先生が箱根駅伝に出場して漫画家になった以来の快挙なのではないでしょうか。





1.ヤマシタトモコ 「WHITE NOTE PAD」(フィールヤング連載中) 「花井沢町公民館便り」(アフタヌーン連載中)

ヤマシタトモコの描く人物は存在感がすごい。 中年男性と女子高生の魂が入れ替わっちゃう(WHITE?)とか、事故でまるごとひとつの町が生き物の出入りができなくなって孤立しちゃう(花井町?)とか、ストーリーだけなら目新しいものではない。だが、そんな状況下で人間はどういきるか。それを真摯に、真正面から向き合って描いているこの二作品にはリアルがある。もし本当にこんな事態に陥ったらそれはこうするだろう、という現実感がある。

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2.東村アキコ 「雪花の虎」(ヒバナ連載中)

上杉謙信女性説に正面からとりくんだストーリー。 最初に載っている検証に真実味があって、あ、ホントに女性だったんじゃないの、と思わせられる。 野生児のように野山を駆け回っていた子供時代から丁寧につづられていて、歴史にまったく興味がなくても、一人の人間の成長譚として引き込まれる。

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3.甘詰留太 「いちきゅーぺけぺけ」(ヤングアニマル嵐連載中)

90年代オタクグラフティ。 山本直樹のBLUEが有害図書指定で絶版になったとか、東京都内に「まんがの森」いっぱいあったよねとか、当時20代前後の人には懐かしいネタ満載。 「げんしけん」的ゆるゆる大学生活ではなく、イナカから出てきて、マンガを描きたくて、同志がほしくてもがく主人公がそのイタさもふくめて熱くてひきつけられる。

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4.青木U平 「服なんて、どうでもいいと思ってた。」(フラッパー連載中)

大久保ヒロミ 「人は見た目が100パーセント」(BE?LOVE掲載)

オシャレに興味ないわけじゃないけど、何をどうしていいかわからない、周りの人はいつ、どうやって化粧とか、ブランドとか覚えたの? そんな男たち(服なんて?)と女たち(人は見た目?)のお話。読み比べると面白さ倍増!

青木U平 「服なんて、どうでもいいと思ってた。」の通販はこちらから。





ヘビーな物語にどっぷり浸かりたい時もあれば、それと同じくらいさらりと読み流したい時もある。 どっぷりと浸かるからには周囲の評判や話題作、そしてこの場のような紹介を見て選ぶ方も多いのでは。 しかし、さらりと読む漫画にこだわってみた事はあるだろうか。 休みの日の寝起きだったり、深夜アニメ放送まで起きていたい時につい手を伸ばしていただきたい1冊をあえてご紹介させていただきます。


講談社「ホクサイと飯さえあれば」鈴木小波

こちらは以前KADOKAWAのサムライエースにて連載していた「ホクサイと飯」の続編。 雑誌廃刊に伴い1巻未完結となった前作(完結話は同人誌で見られます) 廃刊に伴い休止する作品が多い月刊誌作品において講談社で復活をとげたとなれば、期待値も上がるものです。 KADOKAWA版は現役漫画家・山田ブン(PN)がおうちでご飯を作る話。サムライエースのため和食メインになっています。 そして講談社版は同じ主役ブンちゃんが美大に入って一人暮らしを開始する前作の過去の話。 人一倍食べることが大好きなブンちゃんが、ぬいぐるみのホクサイと会話しつつご飯を作ります。 パフェグラスにテンションが上がって、使う頻度も考えずに買ってしまったり冷蔵庫で育てた豆もやしが腐っていたり、海苔の賞味期限が年単位できれていたり そんな妙に共感してしまう等身大なキャラとぬいぐるみがナチュラルに会話しているから面白い。 誰もツッコミを入れる事も無くむしろぬいぐるみがツッコミ担当だったりする。


さらりと読むオススメというからには、いつでも中断できる1話完結が良いのだが”ご飯もの”は1話完結が多い。 「孤独のグルメ」や「たべるだけ」最近では「いつかティファニーで朝食を」などドラマ化が続きジャンルが拡大していた”ご飯もの” 昔からの作る側の物語に加え、最近は食べる側がメインのものが増え、昔に比べて食べた時のリアクションが穏やかになったものも多くなりました。 それでもこのジャンルの見せ場といえばやはり食べるシーンだろう。 しかし、この作品には主役が食べるシーンが殆ど無い。 勿論「クッキングパパ」のように作る事が好きで、別の誰かが食べるシーンが殆どの漫画もある。 それでもこの主役は自分のために作ったご飯なのに口に含むシーンがほぼ無いのだ。 ちなみに、唯一あった咀嚼 シーンは彼女の祖母が作ったおにぎりのため自分で作ったものは口に含んでいない 「いただきます」で手をあわせて口をあーんと開けて…そこまでなのだ。 これだけでは文句にも聞こえてしまうが、この漫画が凄いのはそれでも美味しそう、自分でも作りたいと思ってしまう演出にある 食べるシーンが無い分、作るシーンは場合によっては購入からごっそりある。 いつもブンちゃんが食べたいものを妄想してワクワクしながら作るのだが、その過程がなんとも楽しそうなのだ。 公式で「料理が趣味と言うわけではなく食べることが大好き」と紹介されているように、料理そのものを楽しむというよりは作っている時から料理を食べることにワクワクしている。 きっと自炊する人間になら誰しもある「あ、これ絶対美味しいよ。これ半熟玉子追加したら最強なんじゃないかな」と思う瞬間を毎回ブンちゃんは楽しんでいるのだ。そして毎回ホクサイにつっこまれるのだ。 講談社版はストーリー重視になり、やや教訓ちっくなセリフも多いが彼女の成長も併せて見られる。 そして何より作者・鈴木小波の独特なタッチは1枚絵をそのまま漫画に送り込んだような手の込み様。 昔ながらのトーンに頼り切らない線画での網かけ(昔のホラー漫画の黒い背景の角っこでぐるっとしている線の集合体みたいなやつです) 漫画のコマもあえていびつに描かれ、手書きの文字もかなり細かい。 デジタル主流のKADOKAWA系列で開始した中では特に、この画風は異質に目立つ。 そんな細やかな描写でリアルにご飯を描かれたら、ブンちゃんじゃなくても「あ、これ絶対美味しいよ」と思うわけだ。
特にオススメは「ホクサイと飯さえあれば」(講談社版)の1話でご飯を炊く回。 初の一人暮らし、上京して町を探索して、ウキウキと新居に着いてご飯の準備を…しかし、引越し業者が遅れて炊飯器が届かない。どうするブンちゃん!
「ちょっと炊飯器買ってくる」
「待つでござる」
彼女の食い意地にくすっとしたら、あっという間に1話読み終わり。 もう一話見たいけれどお腹が空くからまた今度。 そんなさらりと後味良く読み流したい時、この作品はオススメです。 ちなみにどちらか片方を読んでも内容は理解出来るけれど、どちらも読んでおくとより楽しめます。 かつおぶしを削るシーンは特に見比べ必見。 唯一注意する事は本気で美味しそうな事くらいです。 ヘビーな物語でお腹いっぱいになったら、ちょっと別腹”ご飯もの”はいかがでしょう。

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うめだ店の少年コミック担当 吉野と申します。
普段から周囲があんまり読んでなくて、非メジャーな作品ばかり自然と目が向くアラフォーです。
あとドットが粗い頃の美少女ゲームのムックや、規制がやや緩かった頃のアダルトアニメも好きです。
アメコミとバンドデシネもちょいちょいいじってますのでよろしくです。
自分が選んだベスト3は周囲があんまり話題にしてくれないから、自分がここで一筆して 話題にしてしまおう!の魂胆も入り混じったベスト3ですのでちょっとひねてますが、 どうかご勘弁をば。


【第1位】小学館 さだやす圭「フォーシーム」

サラリーマン層の方が読者の中心ビッグコミック誌連載の「フォーシーム」が 自分は今年の1位でした!
日本球界を不祥事で追われた36歳の崖っぷち破天荒投手が、最後の夢を求めて大リーグに活路を見い出す ところから物語が始まるのですが、プロ野球で36歳といえば普通は下り坂。 この漫画の主人公・逢坂もかつての栄光からの衰えを周囲に揶揄される中で
「俺はまだやれる!」
と苦手な飛行機に乗り、連続セーブで報奨金倍増でも1つ負けたら1ドルというとんでも契約を結んだ まさに崖っぷちの状況の中で放つ、逢坂の一言一句がとにかくしびれる! 自分も逢坂と同い年なので思わず感情移入しちゃいます! 最近の連載では出版社の垣根を越えて「なんと孫六」の主人公・クレージーキッドこと甲斐孫六との 夢の対決が実現!
熱い作品に出会えた2015年に感謝です。

さだやす圭「フォーシーム」の通販はこちらから。



【第2位】講談社 詩原ヒロ「おねいも」

いつもオチでクルクル回ってんな、この姉妹。
東北イナカで美人?姉妹の不快的スローライフコメディの「おねいも」。 表紙だけ見るとコメディ部分を感じにくいかもですね。


中身はまじりっけなしのギャグ漫画です。 姉妹のみってことなので家の中では初回からパンツ丸出し(色気はない)の恥じらいなしです。 漫画なんで多少の誇張はあるでしょうが、作者の詩原ヒロ先生は山形の出身ということで どこまで「あるあるネタ」なのかが気になるところ。 疲れた時に読むと問答無用で元気になれますよ!

詩原ヒロ「おねいも」はこちらから。



【第3位】小学館 手原和憲「夕空のクライフイズム」

足が太かろうが、かわいいものはかわいい!
それを教えてくれるのは「夕空のクライフイズム」のヒロイン雨宮雨ちゃん。 まだ彼女の過去が明らかになっていない3巻で彼女の足をめぐってサッカー経験者か否かの 議論が部員みんなで繰り広げられるほど(ややエロ目線ありで)。


未だ描写がギリギリで一線を超えない(つまりパンツが見えない)のが残念ですが、 今日こそ?を求めてサッカー中2病の我々は今日も今日とて月曜日のスピリッツを 心待ちにしているのです。 6巻の、女子の着るサッカーユニフォームは「フィットタイプ」と「ダボダボタイプ」 どちらが好ましいかの議論もナイス。
トータルフットボールと太ももが好きなサッカー小僧はこれを読め!

手原和憲「夕空のクライフイズム」はこちらから。





2015年ベスト1:「無法者」全3巻 沢本英二郎

「犬が麻雀を打つ漫画」として、麻雀漫画好きの間で画像は知られつつも、全部を読むことが叶わなかった本作。 初稿は88年?90年。単行本になることなく埋もれていたこの作品が、まさか読めるときが来るとは。 作品自体の面白さもさることながら、出版に至った経緯が凄い。 ひとりの麻雀漫画ファンの方が「麻雀漫画研究」という麻雀漫画家や原作者などにインタビューを行う同人誌を出しており、自らの足で、すでに筆を置いていた作家・沢本英二郎にインタビュー。 手元に残していたという「無法者」の原稿を頂き、自ら写植をして出版に至る。 話の筋としては、基本的な仇討ちモノ。 そこは麻雀漫画なので、敵討ちは麻雀で打ちのめす、となります。 本作品の白眉は、巻き込まれた犬の家族の生き残りも一緒に敵討ちに参加することと……犬が麻雀を打つこと。


あくまで麻雀劇画であり、パロディでない描写が、読むに従って「犬が麻雀を打つこともある。いや、人間こそ犬に教わらなければ」という気分にさせられます。

以前から知られていた画像。


話の展開も一本調子ではなく、かつての盟友であった仇とときに協力したり、搦め手からの謀略があり……そしてまさかのラストへと怒涛の展開。 今読んでも非常に面白い手に汗握る展開。 なかなか入手も難しい作品ですが、麻雀漫画好き、劇画好きには是非手に取って欲しい作品です。

物理的にも最強の犬。
犬のひと噛みで首が落ちる。



2015年ベスト2:「バーナード嬢曰く」2巻 施川ユウキ 一迅社

「名著礼賛ギャグ」として全1巻として2013年に刊行された本作品が、人気により「コミックREX」で連載が続き2015年に2巻が刊行されました。 1巻も十分に面白かったのですが、2巻になって面白さが跳ね上がっています。 基本的に読書「しているフリ」が好きな主人公が側面から読書家を皮肉るような作風だったのですが、1巻途中から登場したガチのSF好きの神林さんが読書論を語るようになってから面白さに加速がかかります。 2巻はまずはぜひ裏表紙を読んで欲しい。


そして2巻から急に加速するバーナード嬢と神林さんの百合展開(?)。
「バーナード嬢曰く」は百合漫画だったんだ!!?

神林さん魂の叫び。


そして意外なものを意外な見方で推す。ベストセラーとか、必読書、とかではない、独自の視点が面白い。

素直に面白いものを面白いと言うのは意外と難しい。
そんなド嬢に感銘を受ける神林さん。


なんという本に関して力説しているのでしょうか?
そうあのベストセラーについてです(どの本についてかは是非本書を手に確認して欲しい)

施川ユウキ「バーナード嬢曰く」の通販はこちらから。



2015年ベスト3:「背すじをピン!と ?鹿高競技ダンス部へようこそ?」1・2巻 横田卓馬

天下の「週刊少年ジャンプ」連載なので、わざわざ紹介しなくてもよさそうですが、やはりここで紹介しておきたい。 自分の好物は「成長物語」なんですよ。 少年少女が壁にぶつかって悩みながらも友情やら恋やらで乗り越えて成長していく物語! そんな青臭いながらも「ジャンプ」でやらなければどこでやる、という物語を可愛くも見やすい絵柄で描かれる物語。 あまり馴染みのない「競技ダンス」という世界を漫画で知れるというのも楽しい。 主人公と一緒で何も知らない状況で、読み進めるうちに自然と競技ダンスの知識も入ってくる展開がよいです。


そしてこの「競技ダンス」というのが、必ず「パートナー」が必要という特殊性も「成長物語」のよさに寄与しています。

きっかけなんて何だっていいんです。


また、主人公の土屋くんが本当に普通の男子高校生なんですね。飛びぬけた才能もないし、特殊能力もない。 本当に出来ることをコツコツ頑張る。見ていて歯がゆくなりそうですが、だれることなく読ませる筆力はすごい。

パートナーが頑張るから、自分も頑張ろうと思える。


観客が「普通のリバースターンだよな?(なんでそんな基本的な技で盛り上がってるんだ?)」となるくらい、まだまだ初心者な主人公たち。 けれど、周りの先輩たちは初心者だからと馬鹿にせず、できることをできたら盛り上げる。 こうした関係性も非常にいい。

横田卓馬「背すじをピン!と ?鹿高競技ダンス部へようこそ?」の通販はこちらから。

試合の1シーン。


宝島社「このマンガがすごい」の投票期間外の発売なので、こんなに面白いのにたぶんほかのベストではまだ紹介されていないかも。
青田買い的に紹介するなら今しかない!








ぶんぶくたぬきのティーパーティ

会話のテンポ、魅力的なキャラクター、作画、全てが自分の好みにドストライクの作品でしたので、私的2015年最高に面白いマンガ第1位となりました。

一見、ゆるーいかわいキャラの日常を描いた感じに見えるのですが、かなり攻めた感じのブラックユーモアとキャラクターが絶望に陥ったときの目が最高ですね。 まんだらけのホームページで無料で読めますので、気軽に読めるのも魅力の1つですね、木曜日が更新日ですので私の中ではジャンプを買う月曜日くらい木曜日が楽しみになっています。

あっ!

あとこちらの作品が書籍化するそうですよ
詳しくはこちらのURLをどうぞ

http://laza.mandarake.co.jp/comics.html

私は、小冊子付きの分が欲しいです。
書籍化に伴い、WEBコミックの一部が閲覧できなくなるみたいですのです。

これを読んで少しでも気になった方は是非、下のURLをポチってみてください。

http://laza.mandarake.co.jp/comic004/








お菓子大好きグランドカオス 高井の2015年いいマンガ1位!
コトヤマ「だがしかし」

2015年、いろいろなコミックを読みましたが衝撃だったのはやはりこれ
「だがしかし」
ベタいところではありますが、このマンガがすごいに選ばれたりアニメ化が決まったりと今勢いに乗っているお菓子マンガ。 「ご飯」をテーマにした漫画が近年盛り上がりを見せていますがお菓子、しかも「駄菓子」にのみ視点を絞っている点に衝撃を受けました。 駄菓子にまつわる細かすぎるうんちく、懐かしすぎる駄菓子の登場などお菓子が好きであればあるほど読みながら駄菓子屋へ行っちゃうような内容です。 お菓子大好き人間にはたまらない、まさに駄菓子のバイブル。

コトヤマ「だがしかし」の通販はこちらから。


ゾンビ大好きグランドカオス 高井の2015年いいマンガ2位!
あさの「花と嘘とマコト」

近年そこはかとなく流行しているジャンルの一つ、「ゾンビ」
ゾンビ物のコミックはギャグに力を入れていたりはたまたは完全シリアスものだったりと怖い、気持ち悪い、一周回って面白いなんて作品が多くみられます。 がっこうぐらしのヒットからも今年はゾンビが流行っているんだな、と実感した年でもありました。 そんな流行のゾンビ物の中でのいち押しが「花と嘘とマコト」。 最初は日常ゾンビ物といった雰囲気で淡々とハナとマコトの日常が書かれています。 しかし、そういった日常は長くは続きません。 二人とも健全だったころ、行きたかった場所、遊びたかった事。 ハナとマコト、人とゾンビ、人はゾンビに何ができるのか・・・。 繊細なラインで描かれる人とゾンビのひと夏をぜひご一読を。

あさの「花と嘘とマコト」の通販はこちらから。


競馬大好きグランドカオス 高井の2015年いいマンガ3位!
「ウイナーズサークルへようこそ」

競馬、一種のスポーツでもある、ギャンブル。
ギャンブルといえば女子供のいない世界のように感じますが今の競馬事情は老若男女、みんな競馬を楽しんでいます。 近年のおしゃれな競馬のCMやら競馬好き芸人が多かったり競馬って何だ、どうやったらできるの、なんとなく興味があるなんて方が多いのではないのでしょうか。
「みどりのマキバオー」
「風のシルフィード」
「じゃじゃ馬グルーミンUP」
「優駿の門」
馬と騎手を主人公にした作品は数あれど、馬券を買う人を主人公にした作品で読みやすいのが「ウイナーズサークルへようこそ」 主人公は競馬なってやったことのない漫画家志望なので馬券の買い方、データの見方、突飛な予想法までばっちり描かれています。 競馬って気になるなー馬券買ってみたいなーなんて方にオススメです。 もちろん初心者のみでなく、競馬が大好きな方も新しい馬券の買い方が見えるやもです。 これを読んで週末のレースに備えましょう。

甲斐谷忍「ウイナーズサークルへようこそ」の通販はこちらから。




御手洗直子
「31歳BLマンガ家が婚活するとこうなる」
「31 歳ゲームプログラマーが婚活するとこうなる」
「おたくマンガ家ママデビュー! つっこみが止まらない育児日記」
「腐女子になると、人生こうなる!~底~ 」
「御手洗直行」……この名前を聞いた時、「ああ!」とひざを打つ20代後半女子は多いのではないでしょうか? そうです、某二次同人界隈をにぎわしたあの作家が商業誌で帰ってきました! そのポップでキュートなタッチでもって、描き出される世界はギャグ…を通り越してシュール! そのスタイルは今も昔もかわらず、まさに時代を超えて愛されるべき漫画家の一人ではないのでしょうか!? 全てエッセイコミックですので、彼女の目を通して映し出される世界を堪能してください!

御手洗直子作品の通販はこちらから。





「ムシヌユン」2巻 都留泰作

2015年超絶面白かった漫画です。 物語は昆虫博士を目指す主人公・上原が夢破れ、生活に困窮をきたし沖縄県与那瀬島に帰郷するところから始まります。 与那瀬島では世紀の天体ショー「タンゴ星団」による星の爆発で虫に似た謎の生物が飛来。 そして好奇心で近づいた上原に寄生してしまいます。 灼熱の島、鬱蒼と生い茂るジャングルの中、繰り広げられる亜熱帯SF。 そこにあるのは圧倒的な絶望と突き抜けた欲望の対峙。 2巻では更に加速して、上原の虚弱な性格が虫の意思(欲望)に飲み込まれ自我が崩壊しかけ予測不能な超展開をむかえます。 見所は上原の心の葛藤(自問自答)です。 心が弱すぎてブレにブレまっくています。

虫に寄生され極限の空腹状態になり、流れ着いた先は時給10万円の工事現場。 現場の人たちに笑われても生きる(食う)為に、働く事を決意。 まずは、皆に受け入れられようと、パンツ(ブリーフ)を脱ぐ事に!!
前作「ナチュン」では薄かった笑いの要素がふんだんに盛り込まれておりそれが、更に作品全体に広がる謎と適度な気持ち悪さを深めています。 そして内容は勿論の事、カバーの装画・装幀が素晴らしい!!作品の世界観が凝縮されています。 まだ物語は序盤ですが、確実に名作になる作品。 出版社はもっと大々的に告知して下さい!早く続きが読みたい。

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「ゴハンスキー」清野とおる

2015年グルメ漫画豊作の年。キ○ガイキャッチャーこと、清野とおるの描くグルメマンガ。 第1話「岩のりそばとゴボウ天」では、美味しそうな描写で食べたくなるなる、メニューが紹介されヨダレが落ちそうになります。 しかし序盤、第4話目あたりから雲行きが怪しくなってきます。 この回は、すし屋の看板とラーメンの暖簾が掛かった謎の店で、酔っ払いのオヤジが清野さん達より後に来店。


ズボンの股間部をビチョビチョに濡らしながら席に付くなりラーメンを注文するのですが、その食いっぷりを見て、清野さん達もラーメンが食べたくなり注文するっていうくだり。 登場人物の個性強すぎて出てくる料理が目立たなくなっています。 「赤羽」シリーズもそうですが、清野さんの観察眼というか取材力凄すぎます。 凡人なら絶対近寄りたくない人でも清野さんならガンガン突っ込んでいくし、仲良くなるし場に馴染みます。 でそれを漫画に描いて面白い。まさにキ○ガイキャッチャー!!

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「ミトコンペレストロイカ」3巻 まん○画太郎

応募者全員プレゼント企画「ラブレターフロム画太郎」の帯文字が超魅力的で購入して即応募。 画太郎先生が応募ハガキに1年間かけて毎日サインを描いてくれるという夢のような企画。(もう締め切り終わりました) 自分のはまだ届いておりませんが@バンチのブログを見たら、第一弾は全て色が塗ってあって力作ばかり、全部つなぎ合わせて画集にできそうな位ステキな出来栄え。 よく、コピー多用したり、ほぼアシスタントに書かせたりで面倒臭がり屋さんなのかと思いきや、ファンを大切にする心優しき大先生なんですね。 それはさておき、ミトコンも早3巻。画太郎史上、最強に可愛い女の子キャラが優しいペンタッチで描かれています。


薄墨?で描かれているので、何とも柔らかい感じ。画太郎新境地。 そして、ついにエッチな展開が、マゴ姫・ヌスミ・お汁ちゃんを襲います!! ババァの裸にうんざりしていた方にも一服の清涼剤になる事うけあい。 そのうち、画太郎先生が作画に飽きるか、出版社が打ち切りにするのかどちらが先か!? とにかく、ちゃんと完結してほしいと願う一ファンです。

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