まんだらけ札幌本人形 HITOGATA 小林伸一郎写真集

「人形」と書いて、あえて「ひとがた」と読ませます。
表紙の人体模型からお店に並んでいるマネキン、博物館の展示用人形、セルロイド人形、果ては廃墟に並ぶ壊れかけた半身トルソーまで…
とにかく人形・人形、ひとがたづくしの1冊です。
ドールと呼ばれるような可愛らしいタイプの人形ではなく、人様から可愛がられることもなく、ただ「ひとがた」としてそこに在ることを生業としている、言ってしまえばちょっと不気味でどこか物哀しい彼らを思う存分感じることが出来ます。
個人的にグッと来たのは、知る人ぞ知る秘宝館の人形たち。
でっけーナニを慈悲深く抱いた観音様は、あまりのありがたさに涙を禁じえません。
この間参加したレインボーマーチを思い出しました。セクシャルマイノリティと呼ばれる方々が、それはそれはでっけーのを担ぎ練り歩いておりました。
すばらしい笑顔で、ワッセローイワッセローイと。それはもう生き生きと。感動しました。

これを見て美しいと感じるか、怖いと感じるか、情けなさに笑ってしまうか。
読後の感想でその人の人となりがわかるかもしれない…なんつって。

(担当いわき)