うめだ店ヴィンテージ担当魚住の
恐怖漫画コレクション
池川 伸治 編 第1弾

「三つ目のママ 四つ目のパパ」
包帯をつけた主人公、何故怪我もしていないのに包帯を付けているのか?
それは、妹に秘密があった。
その秘密とは・・・。
この物語に出てくる執事のじいがスゴイ!!
主人公が包帯を取ろうとするのを、どこからともなく出てきて阻止する。
凄まじい執着で!!
結末も壮絶!!(写真参照)


「愛・愛・愛」
「力がない男ほどみじめなものはない 、バーベルを肩まで上げてみろ」と言う彼女の父。
愛のためにバーベルを持ち上げる努力の日々、そして死ぬ。何故バーベル?!
この本の見所は、ところどころに出てくる詩、そして作者自身のつっこみ、父の突然の関西弁、何と言っても熱い物語。


「黒バラ双生児」
この作品は、おもしろテイストは少ないのですが、やはり池川漫画です。
登場する双子のユミとエミですが、母親がやけにエミを嫌う。
誕生日にユミにこれでもかと言う程のプレゼントを抱えて帰ってきているのに、エミには何一つなく、お手伝い?の ねえやが二人で祝ってあげてると、食卓をひっくり返してまでやめさせる。
嫌う理由が3日3晩生まれてこず気が変になった・・・そんな理由。
そしてこの物語での一番のキャラは、石を死ぬほど愛している父。

「へん血くりん」
森で出会った美しい少女、しかし勇気が無く話し掛ける事すら出来ないで、ただただ見続ける主人公。
そんなある日主人公の友人が後をつけ、少女を見つけ遊びに無理やり誘う。
彼女は「何でこんな人を連れてきたのか」と誤解してしまう。
主人公はショックで入院。しかも病名不明の後2・3ヶ月もつか・・と言うほどの。
そんな主人公のもとに少女がお見舞いに、赤い薬を持って。
なんとその薬で治ってしまう。
その薬はなんだったのか?
これは結末で戦争の話を熱く語ったり、なによりも少女の正体が最後までわからない 事、少女の一言「太陽は私を中心にまわってくれません」もっともです。

「拝み屋太郎」
自分の息子をお金で売り、会長と呼ばれる人のもとへ行く事になる主人公の太郎。
そこで壮絶な訓練がされる。
そして太郎は会長に洗脳され「通力哲学」とやらを手にし、宗教団体発足。そして悪徳と叩かれる。
会長逃亡、太郎一人悪者。
この物語の見所は、訓練の壮絶さ。
例えば会長大暴れの最中での本の暗記、絨毯に落とした物を当てるなどなど。


「白痴美人」
もてもて男光が学校帰りの少女に恋をした。
少女京子には、秘密があった。その秘密とは・・・? この物語の京子はスゴイ!!
目玉をくりぬいて光のベッドにころがし、もともと片目 なのといってのけたり、私の手をにぎってと言って、手がちぎれたのにホホホホホと 笑ったり、だけどそれは夢だったり、謎のサングラスの少女が現れたり・・・。
最後光の一言「いろいろな出来事は誰がやったのだろう・・・わかりません!作者に聞いてください」そんな・・・。

「血と少女と血」
母が死にこうもり村から東京に出て行った少女和子。
13才になる夜に起こるこうもり村の風習とは・・・?
見所は何と言ってもこの表紙。手足が切られてるにもかかわらず、笑ってる少女とバックのどろどろの肉面。
しかし本編とは全然全く関係なし。
恐るべし!!

「いたずら大行進」
ゼット団とエックス団の壮絶バトル!!
恐怖漫画ではなく、ワンパク小僧系。
だけどこんなワンパクがいたらてに終えません。
隠れ家の規模のデカさは凄まじい。
額からの流血は当たり前の世界です。

「炎の奇理子」
「妹が人の肉を食べていたなんて」そんなセリフからスタートするこの物語。
妹と姉のバトルの末は・・・?
お手伝いが閉じ込められている妹に差し入れで腕を持っていき、それにむさぼりつく妹。
結末は一家全員惨劇!!


「奇母・奇墓」
死んだママを生き返らそうとする娘・松枝の奇妙な物語。
途中父の再婚相手が登場。
その継母になるべく人の息子がすごい!!
初登場で首吊りした後ろ姿、すかさずえへへへと笑いながらぶらさがったまま振り返る。
その息子とばあやの壮絶なバトル・・・凄まじい展開の物語です。

「おしらさま」
ある日河原で突然「この石を1年後の今日まであなたのところにおいてほしい、な にがあっても、どんなことがあってももっててほしい」そう言われ男の人から石を預かることになった少女。
そしてその周りで石を狙う少女や、石を捨てるように言う母など、石を守るための困難が待ち受ける。
一年後に何がおこる?!
石を取られると顔が変化し、それを隠すために白い布をかぶる少女。
かなり妖しい風貌です。少女漫画的結末ですが、やはり池川です。
奇妙な展開は目が離せない。

「鬼子母神」
突然家に上がりこみ鬼子母神と書いた札をペタペタ貼る男。
その次の日から少女があやしくなり始めた。
男の子をたぶらかし、自由自在に操る。結果、男同士の争いの末・・・。
結末の男の子の争いが半端じゃない!!
コマは少ないのですが、出刃包丁で頭真っ二つ。
最初と最後に登場する札を貼っていった男も謎です。

「四人の血少女」
カマで首を切ったり、家を爆発させたり、すべり台を滑り降りると塩酸風呂そして 感電。この物語は四人のおそろしい行動。
これでもかと言わんばかりの何とも言えないテンポで展開されるストーリーです。


「天才少女の死」
骸骨を叩き占いをする少女、死んだ孫を生き返らそうとするおじいちゃん。
少女を身代わりに死んだ孫は生き返るのか?
この物語の最初と最後に作者のやる気の無さを感じてしまう。
人物紹介では、主人公のみ紹介で後はその他つまらない人間が5・6人以上と書いているだけ。
最後に私の漫画ほど無責任な漫画のない!と言ってのけている。
そして私はあなたに何も教えようとしない、ただ面白く読んでいただければそれでいいのである。
こう言い放つ池川って・・・。

「白笛物語」
不思議な笛の不思議な音色で色んな人を狂わしてしまう。
一人の男の子をめぐって自分を気に入ってもらえるように笛を吹く少女。
男の子を取られて仕返しする少女。
だけど結果その二人の少女ではない人にいってしまう。
最後の一コマは、間が抜けてて最高。
豪邸の庭に片ヒザついてヤリを構える石造と噴水。
なんだか・・・。

「うばすてやま」
陰気な男の子を元気にする為、老人の集う小屋に行っては棒で殴る・殴る・殴る!!
老人もお金欲しさに殴られる・殴られる・殴られる。そして男は凶暴になり、殴らずにはいられない体になってしまう。
最後は悲しい結末が・・・。
なんといっても、この発想がどこからくるのかが不思議です。
お金欲しさに殴られる老人もどうでしょうね。

「白娘」
ある豪邸に行く事になった主人公の女の子、そこでとんでもない事が起こる。
何故か庭での豪勢な食事会。義手は落ちている、親指も落ちている。
何故?!
この豪邸の一族は死なない人間だった。
斬っても斬っても死なない。最後はこの一族のバラバラの手・足・胴体などがワラワラ出てきて襲われてしまう。
とにかくバラバラの体の一部が出てくる場面は最高です(写真参照)冒頭の、人間は なぜ死ぬのかとの問いに、あとがつかえるからとの答えには笑いました。


「猫と私と母と豚」
タイトルと内容は全く関係ありません。
お金持ちだった少女の父が不渡り、借金 が出来、女中として屋敷に2年働く事に、屋敷に着いたらいきなり綺麗に着飾らされ、ぶたと呼ばれる男の子に逢う。
何故か演劇の先生登場!!
ぶたと呼ばれる男の子に、好きだと心から言えるように演技指導、そして好きと言った瞬間ズカーーンと打 たれた男の子・・・なんと化け猫だった!!なんて展開が早いのだろう。
もう一つ、後記に書かれていることは絶句です。(写真参照)